密度の高い1分の集合体が、どんどん拡大していくようなイメージです。

 高密度の1分を多く持てるようになった人は、パフォーマンスの面で突き抜けます。そのためにも、まずは「目の前の1分を最高密度にするんだ」という意識で取り組むのです。

シングルタスクとマルチタスク
脳に負担をかけるのはどっち?

 1分の密度を高めるには、「シングルタスク」を徹底することが重要です。

 同時にいくつもの仕事をこなす「マルチタスク」は、一見「デキる人」のように見えますが、脳科学的にはまったくの誤解です。

 スタンフォード大学のクリフォード・ナス教授らの研究では、頻繁にマルチタスクを行なう人ほど、集中力、記憶力、判断力が低下することが明らかになりました。

 そもそも人間の脳は、複数の作業を同時に処理できるようにはできていません。自分は「マルチタスクをしている」と思っていても、実際には「高速でタスクを切り替えている」だけなのです。

 この切り替えが、脳に大きな負担を与えます。タスクを切り替えるたびに、限りあるエネルギーはどんどん削られていきます。その結果、集中力、記憶力、判断力が低下してしまうのです。

 仕事の成果を出す人の多くは「シングルタスク」です。

 1つのことに集中し、目の前の仕事をやり切る。それだけで、同じ1分でも生産性は何倍にも跳ね上がります。

 1分の密度を高め、シングルタスクに没頭するには、ムダな作業を省くプロセスが欠かせません。そのためには、「センターピン」を見きわめることが重要です。

 センターピンとは、ボウリングのレーン中央に立つピンのこと。この1本を倒せば、まわりのピンも連鎖的に倒れていきます。

 つまり、最小の力で最大の効果を生む「もっとも重要なポイント」を、センターピンと呼ぶのです。センターピンを外すと、どれほど努力を重ねてもピンは残り、スコアを伸ばすことはできません。しかし、センターピンを正確に見抜くことができれば、成果はドミノ倒しのように広がり、ストライクを取れるのです。

 センターピンを見きわめることは、同時に「何をしないか」を決めることでもあります。なんでもかんでもピンを倒せば、パフォーマンスが上がるというわけではありません。