華やかなデザインはそのままに
外部部品には特許技術を詰め込んだ
このように、商品開発に関しては明らかに保守的である一方で、製造業における生産の垂直化については、研究開発にかなりの影響を及ぼしている。
1990年から2019年にかけて、ロレックスの特許出願件数は加速している。この30年間に取得した276件の特許は、19世紀末から現在までにロレックスが取得した全特許のほぼ半分(45.8%)を占めるほどである。このような研究開発の増加は、主に外部部品の自社開発の結果である。
ブレスレット、ケース、文字盤は合計90件の特許の対象であり、これはこの時期の全体の約3分の1にあたる(32.6%)。その他の主な研究分野は、機械式ムーブメント(27.5%)、時計の製造・組立方法と工程(17.4%)、素材(9.4%)であった。
新しい時計のデザインに関する特許はわずか9件(3.3%)、複雑機構の開発はわずか26件(9.4%)であった。
これらの数字から、1990年から2019年にかけて、製品の多様化はロレックスにとって主眼ではなかったことがわかる。
時計の精度と耐久性を向上させ続け、生産システムを完成させることが研究開発の中心であった。
1990年代初頭にロレックスがSMH(1998年からスウォッチ・グループ)の子会社であるニヴァロックス(Nivarox)による独占状態から脱却することを可能にした耐磁性ヒゲゼンマイの開発も、この文脈に含まれる。
外装部品は、これらの活動の垂直化だけでなく、コレクションの新しいバリエーションを開発するためにも革新していく必要があるという点で重要なのである。
イメージを重視するロレックスは
スウォッチとの協業を拒んだ
この時期にロレックスが開発した主な新製品はクロノグラフウォッチ(編集部注/ストップウォッチ機能を搭載した腕時計)で、合計7つの特許を取得した。
しかし、これはロレックスのコレクションの中では新しいモデルではない。ロレックスのクロノグラフは1930年代から販売されており、コスモグラフ・デイトナは1963年に発表された。これらのモデルにはバルジュー製キャリバーが搭載されていたが、このキャリバーは1944年にエボーシュが買収したもので、後にスウォッチ・グループの子会社であるETAとなった。







