富裕層がこっそり教える 狙い目&穴場 運用術#11Photo:Icon Sportswire/gettyimages

ロレックスをはじめとした有名ブランドの高級腕時計は、価値が落ちづらい現物の資産として富裕層が触手を伸ばす代表格だ。最近では、600万円で買ったロレックスが4000万円に値上がりした例も――。特集『富裕層がこっそり教える 狙い目&穴場 運用術』(全16回)の#11では、購入後に値上がりが見込めそうな製品の具体名や見つけ方など、「高級時計投資」の最新事情を専門家が指南する。(フリーライター 鈴木俊之)

「週刊ダイヤモンド」2023年11月11日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

定価以上の購入でも
さらなる値上がりも

 腕時計が、定価を大きく上回り、数倍の値段が付く――。しかも、換金性が高く、大きく利益を得られるとなれば、日常使いの一本として購入を検討する選択肢も“アリ”かもしれない。

「今年発売のロレックス・デイトナのホワイトゴールドモデルは、定価600万円と高額ですが、直近では並行品(二次流通品)販売店で4000万円の値が付いています」。そう語るのは、高級腕時計の卸売業を運営するオロジィのT氏だ。いわく、ここ4~5年ほどで、ロレックスなどの高級腕時計の価格は並行品販売店で定価を上回るほど高騰しているという。

「多少の相場変動はあるものの、ここ3年で資産価値が一貫して高い腕時計ブランドとモデルは、ロレックスのサブマリーナー、デイトナなどスポーツラグジュアリーウオッチといわれるジャンル、オーデマ ピゲのロイヤルオーク、パテック フィリップのほぼ全てです。

 特に、パテック フィリップに関してはどのモデルも買い取り値が定価より高く付き、ノーチラス、アクアノートという商品は買った瞬間から2倍の700万~1000万円程度の値が付きます。また、定価1億円オーバーのパテック フィリップのスペシャルモデルは、販売直後に並行品販売店で約5億円になったこともあります」

 なぜ、これほど高騰が続くのか。

「明確な理由は分かりませんが、3年ほど前から腕時計に資産価値を見いだした富裕層がこぞって買いあさった結果、正規販売店の在庫がなくなり、二次流通市場の取引が多くなりました。その様子がうわさを呼び、今では転売ヤーも含め『とりあえず買っておこう』という人が増えて高騰しました。今も定価以上のモデルは多いものの、いったんピークは落ち着いています」

 では、今から腕時計投資を始めるにはどうすればよいのか。ちまたでは、ロレックスの複数の正規販売店に足を運ぶ“ロレックスマラソン”と呼ばれる手法も一部で話題だが、次ページでは、このほかにも、購入後に値上がりが見込めそうな製品や見つけ方などを専門家が具体的に指南。「高級時計投資」の最新事情を明らかにする。