「ずば抜けて仕事ができる人」のたった1つの習慣とは?
「読むのが速い人の秘密」がわかった!
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』の刊行を記念し、本記事を配信します。

「ずば抜けて仕事ができる人」のたった1つの習慣とは?Photo: Adobe Stock

「ずば抜けて仕事ができる人」のたった1つの習慣とは?

 本日は、「仕事ができる人の習慣」についてお伝えします。

 フレームワークをご存じでしょうか? フレームワークとは、物事を考えたり、判断したり、誰かに伝えたりするときに役立つ「型」や「枠組み」のことです。

できる人は「フレームワーク」をどう使う?

 仕事の場面では、課題が複雑だったり、情報が多かったり、関係者の意見が食い違ったりして、頭の中だけで整理しようとすると時間がかかります。そんなとき、思考の順番や着眼点をあらかじめ決めてくれるのがフレームワークで、いわば先人たちが積み上げてきた「効率のよいお作法」と言えます。文章でいえば起承転結やPREP法が典型ですし、ビジネスなら3C分析やSWOT分析のように、目的に応じて使える型が世の中に数多く用意されています。だからこそ、フレームワークを知っているかどうか、使えるかどうかは、仕事のスピードや精度を大きく左右します。

 一方で、フレームワークを学んでいる人ほど、こんな悩みにぶつかりがちです。聞いているときは「なるほど」と思って覚えたつもりなのに、いざ使おうとすると出てこない。結局、記憶力の問題なのではないか。けれど、ここで捉え方を少し変えてみましょう。フレームワークをたくさん持っているように見える人は、記憶力がいい人というより、学んだ型を仕事の現場で使える形に作り替えるのがうまい人です。つまり、暗記が得意なのではなく、型を「習慣」に変えるのが得意なのです。

フレームワークは絶対使うべき。なぜなら……

 フレームワークを使わない手はありません。なぜなら、それは過去の試行錯誤の集積であり、最短距離で目的にたどり着くための工夫だからです。時々、「フレームワークに頼るとオリジナリティが失われる」と言われることがありますが、冷静に考えると、型を知らないまま独自性にこだわるのは、毎回車輪を一から作り直すのと似ています。まずは先人の資産を使い、その上で工夫を足していきましょう。

「覚える」のではなく、「使う」を意識する

 仕事に活かすポイントは「覚えるのではなく、使う」です。用語や定義を丸暗記しているのではなく、自分の行動手順として体に入れるのです。例えば、デカルトが『方法序説』(1637年)で示したとされる思考の四大原則があります。疑わしいものを疑い、問題を分割し、簡単なものから順に解き、最後に見落としを検証する、という考え方です。ただし、これを一語一句そのまま言える必要はありません。今の言葉に直せば、「仮説を立てる」「問題を小さく分ける」「簡単なところから片づける」「最後に抜け漏れを確認する」。要点はこの程度にまで圧縮できます。

 さらに重要なのは、4つ全部を等しく覚えようとしないことです。フレームワークを定着させるときの大原則は、「無意識にできる部分は覚えなくてよい。意識しないとできない部分だけを、記憶のフックとして残す」という考え方です。たとえば、仮説を立てることはもともとできていたとします。困るのは、その先です。問題の切り分けが甘くて遠回りしてしまう、解決しても全体に戻ったときに見落としが出る、という弱点があるなら、覚えるべきはそこだけです。

 具体的には、「わからないことが出てきたら、言葉にして細かく切り刻む」「簡単な問題から着手する」「最後にゴールから逆算して辻褄を点検する」。このように、自分の失敗しやすい場面に合わせて、短い行動ルールへ翻訳しておく。するとフレームワークは知識ではなく、手順として体に残り始めます。

「仕事ができる人の習慣」を整理すると?

 仕事ができる人が実践している習慣を整理しましょう。フレームワークを学んだら、まず自分の現実の問題に当てはめて使ってみる。うまくいったら、そのフレームワークを自分の言葉に置き換える。そして、「悩み」を合図にして思い出せるキーワードを決める。学ぶだけで終わらせず、実践し、翻訳し、呼び出し方まで設計する。この流れを繰り返しましょう。

 丸暗記をやめ、目の前の仕事に当てはめ、あなたの言葉に直し、悩みとセットで呼び出せる合図を作る。このプロセスまで一つの習慣として回せるようになると、フレームワークは忘れにくくなり、むしろ使うたびに深く体に染み込んでいきます。

(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋・加筆を行ったものです)