「収益性を高めるためにテレビと携帯電話事業を売却しなさい」と。それでソニーの経営陣に怒られたというのがこの話のオチでした。
この話の笑いどころは、「正しいけれども経営陣が受け入れるわけがない提言をするコンサルタントは無能だ」という部分です。
この話にはもうひとつ古い伏線があって、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いで、世界の経営の教科書ともいわれていたGEで、ジャック・ウェルチがまさにそれをやってみせたのです。
GEは略さずに言えばゼネラル・エレクトリックが社名、つまり総合電機メーカーなのです。
そのGEのCEOに就任したジャック・ウェルチが、「一番か二番になれない事業は売却するぞ」と社内に号令をかけました。
新任CEOのこういった掛け声について社内は冷ややかで、やれるものならやってみろぐらいの反応だったのですが、ジャック・ウェルチはGEのテレビ部門を即座に売り払ってしまったのです。
結果的にGEは脱電機を推し進め金融機関へと変貌します。そのGEも現在では没落しているのですがそれはまた別の話。
当時の教えに話を戻すと、経営学にはセオリー的に正しい定石があるけれども、それをやるのはぶっ飛んだ経営者だけだというものです。
それで時計の針が進んで2026年になったわけですが、時代は明確に変わりました。
ソニーがテレビ事業を売却するというニュースを耳にしても、誰も「ソニーの社長はイカれている」などと口にしないのです。
20年前には社会の誰もが受け入れるわけがないと考えることを、時が移り、普通に受け入れられるまでに社会の構造が変わってしまいました。
とはいえ日本企業の技術力に対するノスタルジーを感じる日本人には、今回のニュースは残念な話です。
実はかくいうわたしも父親の代からのソニー信者で、歴代の我が家のリビングに置かれてきたのはソニーのテレビばかりでした。
ちょっとだけソニー製テレビの性能について話させてください。
1970年代に我が家にやってきたのがソニーのトリニトロンでした。その前の他社のカラーテレビとは子どもでも気づくぐらい画質が違いました。







