それまでのブラウン管と違い、トリニトロン技術では光線銃が一か所から放たれることで画像にブレが起きないのです。

 個人的にソニーのテレビで一番お気に入りだったのが2000年前後に購入したWEGAでした。まだアナログ放送の最終盤の時期でしたが、ソニーの異端者と呼ばれた近藤哲二郎さん発明のDRC(Digital Reality Creation)という技術が搭載されていました。

 これは480本のテレビ放送の走査線を瞬間的に解析して960本のハイビジョン画質に変換する技術でした。

 今なら生成AIでたとえば画質の低いアナログ放送の『鬼平犯科帳』を4Kデジタルリマスターに画質変換する技術が確立されていますが、30年近く前の生成AIのない時代にこれをソニーはアナログ波でやってのけていたのです。

 ただソニー信者の我が家でもソニーのブラビアがリビングに鎮座するのは現行機が最後かもしれません。85インチのMini LED大画面テレビで、画質にはまったく文句をつけようがありません。

 しかし最近気になるのがホーム画面の遅さです。最近のテレビらしいと思うのですがテレビのスイッチをつけるとOSはソニーではなくグーグルの画面になります。この画面が最近、遅くなってきたのです。

 パソコンでOSのダウンロードを繰り返しているうちにどんどん遅くなって、ついにパソコンを買い替える現象は理解できます。しかしテレビでソフトウェアをダウンロードしているうちに遅くなるのは技術としてはどうなのかなと不満に感じます。

 実はソニーの場合、10年くらい前からブルーレイレコーダーのOSが遅くて使い物にならないと悪評判が立ち始めていました。

 要するに得意な技術とそうでない技術があって、いわゆるGAFAMが当たり前のように強みにしている技術ではソニーのテレビ・ビデオ部門は遅れをとっているのでしょう。

 もともと高品質に定評があったソニーが、製品として徐々にじり貧になってきたのはなぜか?