理由はテレビ市場が低収益になってきたからです。価格競争が進み、先述したようにレグザやハイセンス、TCLの安価な大画面テレビのほうが飛ぶように売れる時代です。

 そうなると経営としてもローコスト経営に徹するしかなくなる。技術者への投資余力が減ることになり、長期的には商品の品質が下がっていく。

 これこそが長年日本メーカーのテレビ事業を悩ませてきた経済現象です。そしてこの先はそれだけではありません。

 テレビのこれからについて少し衝撃的なデータを紹介しましょう。

 アメリカのニールセンの調査によれば、アメリカ人が大画面テレビで地上波テレビ番組を見る時間はすでにテレビをつけている時間の中の20%まで減っています。

 アメリカ人がテレビで見るものの最大シェアはストリーミングでこれが全体の45%。その中でも最大はユーチューブを観ている時間の12.5%です。

 これから日本もそうなります。パソコンのようにアプリを切り替えて動画を楽しむのが主流の時代です。そうなると重要なのはテレビ番組の画質よりも操作性になります。

 ソフトウェアを切り替えてユーチューブを観たりネットフリックスを観たりプライムビデオを観たりするための道具としてテレビが使われます。

 ひょっとすると近い将来ではテレビを通じて生成AIにコンテンツを生成させる視聴者も出てくるでしょう。

 だとすれば、これからのテレビ市場で生き残るためには、次の2つが重要になります。

1 低コストでテレビを製造販売する力
2 テレビを動かすソフトウェアへの知見

 そう考えると、どちらの能力もソニーが得意分野ではないようです。ではどうすればいいでしょう?経営学的な解決策としては外に頼るのが一番いいわけです。