「過去問は25年分解け!」共通テスト後に東大合格請負人が“スパルタ”指導するワケ【マンガ】『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク

三田紀房の受験マンガ『ドラゴン桜2』を題材に、現役東大生(文科二類)の土田淳真が教育と受験の今を読み解く連載「ドラゴン桜2で学ぶホンネの教育論」。第119回は、大学受験における「過去問」の活用法を考える。

過去問の無駄遣いは、こうして起きる

 大学入試センター試験(現:大学入学共通テスト)を終えた龍山高校の生徒たちは、東京大学現役合格に向けてラストスパートを切る。東大合格請負人の桜木建二は、最後の受験勉強として「25年分の過去問を遡(さかのぼ)って解きまくれ」と訴えるのだった。

 大学受験において、過去問を解き始める時期に悩む人は多いだろう。初めからコツコツやるという人もいれば、最後までとっておくべきだという人もいる。

 早い時期から模試でA・B判定をとっており合格可能性が高いのであれば、初めから過去問に取り組むのもいいだろう。ただ、D判定やE判定の時期にむやみに過去問に取り組むのは尚早だ。過去問を無駄に消費してしまう。

 ただ、「現実を知る」という意味では、早い段階で過去問にチャレンジするのは有効だ。「2年後にはこれを解けるようにする」という現実的な目標になる。

 気をつけた方がいいのが、大学によって出題傾向がガラッと変わるタイミングがあるということだ。例えば、東京大学の文系国語は2000年から大問の数が7題から4題へと変更になった。直前期に「1日に大問1問」などと決めているのであれば、早めに確認した方がスケジュールに狂いが出づらい。30年分ストックがあると思ったら、実は10年分しか使い物にならないということもありえる。

 また、塾のカリキュラムを前もって確認することも大切だ。直前期に過去問を丁寧に添削してくれるサービスがついているなら、その分はやらないでおくなどの戦略を立てられる。もちろん、あえて事前に解いておくことで成長を確かめることもできる。塾の教材などに過去問が小出しで含まれる場合は、それを事前に察知しておくに越したことはない。

「過去問を解かない」弊害は知識面だけじゃない

漫画ドラゴン桜2 15巻P129『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク

 いずれにせよ、「解き惜しみ」はよくない。もったいないからといって過去問を解かずにためておくと、結果として最新年度のものを解かずに、あるいは丁寧さを欠いた解き方をしてしまうことがある。私は英語に苦手意識を持っていたため、直前まで過去問に手をつけなかった結果、直近数年分を解きそびれてしまった。

 過去問を解かないことは、単にその内容を勉強する機会を失うだけでなく、「ほとんどみんなが通っている道を自分だけ通過していない」という精神的な焦りにもつながる。よっぽどのことがない限りは、計画的に解くのがおすすめだ。

 最難関大学だと、『東大の理系数学 25カ年』や『京大の英語 25カ年』のように、「大学×教科」で過去問集が発売されていることもある。独自の難易度マークがついているものもあり、使い勝手がいい。ただ、出版元が違うと同じ問題でも異なる難易度表記がされていることもあるため、あまり難易度を参考にしすぎない方がいい。難易度がなんであろうと配点は変わらないのだから。

 受験直前期は、焦って何か新しいことに取り組もうとする人は少なくないだろう。ただ、残りわずかな時間の中で「何をしようかと悩む時間」が実は一番もったいない。無心で取り組めるトリッキーでない教材という意味でも、過去問は大いに活用できる。

漫画ドラゴン桜2 15巻P130『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク
漫画ドラゴン桜2 15巻P131『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク