兄「遺言がある」vs妹「お父さんもうボケてた!」骨肉の争いを終わらせた「病院カルテより強い存在」とまさかの理由写真はイメージです Photo:PIXTA

遺産相続で、骨肉の争いに発展する火種になりかねないのが遺言書だ。遺言書には大きく3種類あり、正式なものでなければ信憑性が薄いため、円滑な遺産分割を妨げてしまう。遺言書の重要性について、実際にあった“争続”の裁判での経験をもとに、テレビやラジオなどでも活躍するなにわの熱血弁護士が解説する。※本稿は、山岸久朗『人生のトラブル、相場はいくら?』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

遺族同士の“争続”を避けるなら
公証人が作った遺言書がオススメ

 だれしも自分の死後に家族に揉めてもらいたくない、いわゆる“争続”を防ぎたい、そんな思いはあるでしょう。

 争いを避けるための最強の答え、それが遺言です。私の経験上、遺言を作成するだけで、争続の5割以上は防げると考えています。遺言を書けば自分の遺産に関してルールを決めることができます。特に不動産が複数ある方などは、その不動産の価値によって、遺族の中であれが欲しい、あれは欲しくないなどの思いがあったとしても、故人が決めてしまえば従うしかありません。

 遺言書には、自筆で書く「自筆証書遺言」と公証役場に保存される「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類があります。例外的な遺言はもっとあり、秘密証書遺言は実務ではほとんど使われておりません。

 公証役場で公証人に作ってもらうのが公正証書遺言で、私のおすすめは圧倒的にこちらです。なぜなら、公証人は、裁判官や検察官の定年退職後の受け皿であり、圧倒的な信頼感があるので、後で無効の争いになっても強いこと、また公証役場だと50年間保管してくれて、被相続人が死んだ後は相続人が検索できるようになっていて紛失しないことが理由です。