人間の耳には、ミャオは人なつこい、何かを要求する、悲しい、自己主張、訴えかける、しつこい、哀愁をおびた、不満そうな、愛情のこもった、場合によっては鬱陶しくも聞こえる。
ミャオの分類を試みた研究者もいたが、他の鳴き声と同じく、ミャオには無数のバリエーションがあり、同じ猫でも時と場合によって変化するため難しい。そうはいっても、デンマーク語の「ミャウ」や日本語の「ニャー」など、世界各国の言語にミャオに相当する語があるようだ。
「ミャオ」と赤ん坊の泣き声は
発声の仕組みや周波数が酷似
どのように発音しようと、どのように書こうと、猫のミャオは聞き間違えようがない。ただし赤ん坊の泣き声は別だ。どちらも咽頭の声帯を震わせて出す音で、響きも基本周波数(1秒当たりの音波の数)もよく似ている。
この周波数は音の高さとして受け取られ、周波数が高いほど音が高くなる。複数の研究によると、元気な赤ん坊の泣き声は平均して400~600ヘルツで、下降型もしくは上昇-下降型がある。
成長した飼い猫のミャオは、さまざまなパターンがあるものの、ニコラス・ニカストロの調査では平均609ヘルツだった。スザンヌ・シェッツをはじめ、他の研究者も同様の数字を報告している。
猫の鳴き声も赤ん坊の泣き声も同じくらいの高さなので、どちらも無視するのは不可能に近い。赤ん坊の泣き声が大人の警戒と不安を引き起こすことは、数多くの研究で証明されている。
トロント大学のジョアンナ・ドゥデクの研究チームは、赤ん坊の泣き声を聞くと他の作業の効率に影響が出ることを確認した。
猫の鳴き声に同じ作用があるかどうかは、現時点では実証されていないが、響きが似ていることや猫の聡明さを考えると、ひどく気が散ってしまうのは想像に難くない。
だから猫を無視することは難しいのだろうか。彼らは私たちの脳をショートさせて、赤ん坊と同じく、すぐに駆けつけて世話をせざるをえないようにしているのか。
そうかもしれない。けれども、おそらく故意にではない。家畜化する過程で、人間は無意識のうちに鳴き声に説得力のある猫、つまり自分たちの赤ん坊の泣き声に似ている猫を選んでいた可能性はある。







