男性メンバーは暴走族の元総長や少年院に入っていた経験がある者がいる。女性メンバーも、極貧家庭に生まれ施設育ちだったり、深刻な性暴力被害の経験があったりする。ただ、そういった壮絶な過去は、集団の場で語られる際には案外さらっと流される。

 重い過去を「売り」にしない点も、この番組の特徴だ。そのような過去があるのはお互い様なので、それを存分に語りたい場合は「2人」というシチュエーションになる。

 男女ともに「喧嘩上等」であり、集団の場では気を張っている。恋愛に至るかもしれない相手と2人の場、あるいは男女それぞれの部屋でだけ、ふっと表情が緩み、脆い部分が表れたりもする。

令和の若者が感じる
「剥き出しの生々しい感情」

 日本の恋リアにしては珍しく海外でもそこそこの評判となっている理由は、ヤンキー特有のビジュアルや用語と、そこから生まれる恋愛にあるのかと思っていた。

 子どもの声で校内アナウンスが流れ、その指示によってヤンキーたちがミッションをこなすスタイルは「イカゲーム」を彷彿とさせる。そういったシュールさが、国内外でウケているのかとも思った。

 ただ、もともと恋リアを好む層からすると、それだけではないようだ。国内外のレビューで、「感情のぶつかり合いが生々しい」「剥き出しの感情」「見ていてしんどさもある」「感情が未熟」といった感想が見られる。

 MCの3人(MEGUMI、AK-69、永野)がたびたび、彼らは「今を生きている」というようなことを言う。感情の表現がストレートで、感情が読めないキャラクターは少ない。それが番組最大のウリでもある。

 例えば、冒頭からそのルックスとキャラクターで目立つ女性メンバーがいる。彼女は複数の男性メンバーから「かわいい」と評価され、おそらく本人も自分が一、二を争うモテキャラであることに気づいている。

 その女性が中盤でキレるのである。新メンバーが登場するシーンで、ある演出により、女性メンバーに水がかかってしまう。そして新メンバーにコップの水をぶちまけてしまうのである。このときの彼女の名言が「水はやべぇだろ」で、ネット上では一時期、強い興奮とともにこのセリフとシーンが語られた。