もちろん、ハローワークやヤングハローワーク、ジョブカフェなどの、就労支援の公的サポート機関は存在する。ただ、約45万人の新規学卒者が卒業後に就活をするという世界観の中では対応不能だろう。

 既卒者も含めて就職支援を行っている大学もある。特に女子大などでは、卒業生の結婚・出産後のキャリア形成支援を行う動きもある。ただ、キャパシティーオーバーになる可能性も多いことだろう。

既卒者を新卒扱いにしても
内定をもらえる人はごくわずか

 ここで、新卒一括採用批判論者がよく指摘する「卒業後に就活を」論について警鐘を乱打したい。

 もちろん、在学中でなければ応募資格がない杓子定規の対応は、応募する機会を閉じるという意味で問題があると考えるのは当然だろう。新卒カードを使うためにわざと単位を落とす、卒論の提出を遅らせるなどするのは、学生に金銭的にも時間的にも負荷をかけるのでナンセンスだと考えられる。新卒カードに過度に依存することで、問題は起きている。

 2010年には日本学術会議が既卒3年以内を新卒扱いにする提言を行った。その後、経団連企業においても、既卒3年以内を新卒扱いにする企業は約7割に達した。要件を緩和する、求職者の権利を守るという点では評価できるアクションだと言えるだろう。

 しかし、その後、企業は既卒3年以内の求職者を新卒枠で採用したのだろうか。どのような就職活動を行ったのだろうか。

 就職情報会社のマイナビは、既卒者の就職活動についての調査を毎年、行っている。この原稿を書いている時点での最新版「2024年度 既卒者の就職活動に関する調査」によると、調査に回答した人のうち、内定を持っている人は49.3%だった。モニター調査に回答するようなアクティブな層でこの結果である。

 他方、企業側の実態を示すデータも存在する。やや古いデータだがキャリタスの2013年卒を対象とした「採用活動に関する企業調査」(2012年7月調査)によれば、卒業後3年以内の既卒者を「新卒枠での応募を受け付けている」と回答した企業は63.9%に及ぶが、そのうち実際に既卒者に内定を出した企業は18.5%にとどまる。