既卒者は好奇の目で見られ
就職活動がうまくいかない
この「既卒者も新卒扱いに」というムーブメントの「罪」についても確認したい。
権利、機会は拡大したようで、学生は卒業したあとに、自分の生活を維持しつつ、就職活動を続けなくてはならない。周りに就職活動中の学生がいない、相談相手がいないということで、支えが不十分である中で活動を継続しなくてはならない。
『日本の就活――新卒一括採用は「悪」なのか』(常見陽平、岩波書店)
これは地獄のような苦しみになりえないか。非正規雇用で固定化する可能性もある。このようなリスクを考慮せずに、既卒者も新卒枠にすると、学生生活が充実する、学生の機会が拡大する、じっくりと考えて就職できるなどという発想は牧歌的である。
実際、前出のマイナビの調査でもその懸念は明確に現れている。卒業後の活動で「大変だったと思うこと」(複数選択)では、「既卒者として就職活動している理由を聞かれる」が46.2%と最も多い回答となった。
次いで、「既卒者としての活動の仕方がわからなかった」「既卒者の募集が少ない」「既卒者募集をしている企業が探しづらい」「新卒のように仲間がいないので進捗がわからない」などの回答が上位5つに入った。
「権利」は確保されたとしても、そのプロセスは決して楽ではないことが明らかになる。







