ドーパミンは本来、私たちが「行動」を起こし、「達成」するための強力なモチベーション源です。重要なのは、「どの行動」に「どの報酬」を結びつけるかという「報酬設計」です。

 このドーパミンの使い方を、「予測不能で受動的な刺激」から「意図的で能動的な達成」へと変えることで、認知症予防をかなえるスマホに変えることを拙著『脳にいいスマホ 認知症をスマホで予防する』では提案しています。

スマホの「能動使用」を
かなえる「3つの指針」

 それでは、具体的にどうすれば、スマホを「依存装置」から「脳の補助装置」に転換できるのでしょうか。

 そのために、以下の3つの方針があります。

(1)「受動」「予測不能」から「能動」「意図的」へ

『スマホ脳』に出てきた、依存的な使用につながる一つのカギが、「ピコン!」と鳴るSNSやニュースの「通知」とされました。これは「受動的」で、使用する人の集中を一方的に奪うものです。

 これを、「脳にいいスマホ」では「意図的で能動的」な通知に変換します。

 つまり、「スマホに振り回される」のではなく、「自分が決めた時間に、自分が決めた行動を起こすための合図」を、スマホに設定するのです。

 たとえば、「15時になったら散歩に行く」「毎朝9時に脳トレをする」といった「未来の自分との約束」をスマホにセットします。これは、自分が決めた健康行動を「実行する」ための能動的な合図(トリガー)になります。

 また、SNSなどで「いいね!」がもらえるかどうかわからないといった「予測不能な報酬」は、依存の温床となります。そうではなく、「やったら、必ずもらえる確実な報酬」を設計します。

 例えば、1日の目標歩数を達成したら必ず「リングが閉じる」、脳トレの問題を解き終えたら必ず「クリア!」の表示が出る、といった仕組みもその一つです。

 これらを用いて、自分の努力(行動)に対する「確実な即時報酬」を得ると、その小さな達成感が、次の意欲(ドーパミン)を生みます。

 このステップは健康管理アプリなどで実践できます。