Photo:SANKEI
巨人の監督という立場。それは敗戦が許されず、OBやファンの視線も重くのしかかる役割だ。その重圧を前に、なぜ長嶋茂雄は揺らがなかったのか。彼は修羅場を避けるのではなく、あえてその中心に立ち続けた。監督・長嶋の言葉と行動を追っていくと、極限のプレッシャー下でも組織を前に進めるリーダーの在り方が見えてくる。※本稿は、臨床スポーツ心理学者の児玉光雄『長嶋茂雄 永久に心を熱くする言葉「積極果敢」で生きる80のヒント』(清談社Publico)の一部を抜粋・編集したものです。
監督就任一年目に
最下位という地獄
どのチームの監督も大変だけれど、
巨人の監督は、
いわゆる独特の座を持ってるんですよ。
勝利が義務付けられて、
「勝つ」ことが大前提なんです。
巨人の監督は、
いわゆる独特の座を持ってるんですよ。
勝利が義務付けられて、
「勝つ」ことが大前提なんです。
(『完全保存版 長嶋茂雄 不滅の「背番号3」』)
――巨人監督にのしかかる重圧を語った言葉
長嶋のような一流のリーダーは、「修羅場」を楽しめる。第1期監督時代の1年目に最下位というどん底を体験しているから、逆境に見舞われてもうろたえない。
この言葉に続けて、長嶋はこう語っている。
「プレッシャー。重圧。伝統のチームだけに、OB、ファンの皆さんの目も注がれています。勝ちながらチームを作っていかなくちゃいけませんからね。『今年はまずチーム作りに専念』というわけにはいかないんです」
(『完全保存版 長嶋茂雄 不滅の「背番号3」』)
理屈抜きに、どんなピンチに見舞われてもジタバタしないのが、一流のリーダーである。
一方、ちょっとしたピンチに陥っただけで、途端に落ち着きがなくなり、機嫌が悪くなるリーダーは、並のリーダーである。
あるいは、負け続けると、途端にメンバーに発するコメントがネガティブになるリーダーは、たいしたリーダーではない。もしチームにジタバタする事態が起こらなければ、リーダーなんていらないのだ。







