実のところ、同様の機能をもったスマホアプリはこれまでにもすでに存在していた。そうした先行アプリでは、利用者が別のキーを押せば直接緊急連絡先と連絡を取ることができたり、救急車を呼んだりするサービスも付帯していたりする。さらには利用者の生体機能をスマホが判断して、例えば倒れて意識を失っているのか、それとも病気なのかなどを確認して救急医療へとつなぐ機能を持つものもあるという。

 こうした高機能なアプリがそれほど話題にならなかったのに対し、「死了麼」が有料アプリながら日々100倍もユーザーを増やしたのは、とにかく個人情報を登録する必要がなく、またコンセプトと機能がシンプルなのが最も大きな理由だったと言われる。

本当に必要なのは老人向けアプリでは?

 アプリが話題になると、「死んだ?」という名前に非難が集まった。そのため、開発者は「Demumu」という名前に変更すると発表したものの、結局のところ、「死了麼 Demumu」という形の表記で落ち着いたようだ。その一方で、こうした非難を受けて、アプリ市場には「活著麼」(生きてる?)とか「Dead Yet?」(同じ「死んだ?」だが、中国語よりは表現的に柔らかいと感じるようだ)などといった同類のアプリも出現している。

「死了麼」アプリは、日本のアプリストアでもすでに170円でダウンロード販売されているので、興味がある方はのぞいてみるといい。中国では「死了麼」人気と同時に、「孤独死」に関連するアプリも注目されており、自分の遺言をメモ形式で残して死後、特定の人に送ることができるサービスなどにもユーザーが流れ込んでいるという。

 ただ、「死了麼」は若者はともかく、ご老人には敬遠されやすい。しかし実際の需要があるのはこちら……という点を見越して、「死了麼」の開発会社では急なアプリ人気で集まった100万元(約2200万円)の資金を使って、今度は高齢者にも喜ばれるようなアプリの開発を進めているそうだ。