この「演出」の結果、母親のSNSは荒れに荒れ、目を覆うようなひどい言葉もなげかけられている。木村花さんと同じく、正義の市民が石を投げてスカっとする「悪人」にされてしまったのだ。
こういう方向で炎上することを朝日放送としてはもっとも恐れている。だから「ちょっとやりすぎじゃない?」というほど過剰に「守り」に入っているのだ。
例えば番組公式サイトの声明文がわかりやすい。
一家の両親に誹謗中傷がなされていることについて「重く受け止めています」「深く反省しております」「強い懸念を示しています」と述べる一方で「謝罪」はゼロ。
つまり、自分たちの「非」は一切認めないという方向で、「こっちの演出が、一般の皆さんにはちょっとわかりづらかったかな」というスタンスでの火消しを狙っているのだ。
さて、朝日放送側の苦しい「オトナの事情」がわかったところで、次にみなさんが不思議でしょうがないのが、「だったらなんでこんな問題が起きることがわかりきっているのに、過剰な演出なんかしちゃうのさ」ということだろう。
これは単刀直入に言ってしまうと、「みんなのため」である。
なぜ過剰に演出をするのかというと、ありのままを撮影しても「つまらないVTR」にしかならないからだ。
なぜ「つまらない」といけないのかというと、視聴率が取れずに番組が終わってしまうからだ。そうなると、下請けの制作会社は仕事を失うのはもちろん、スポンサー企業も離れてしまうので、テレビ局の社員も責任を取らなくてはいけない。
「じゃあ、頑張っておもしろいネタを探せよ」と思うかもしれないが、投入できる人員も予算も限られている。しかも、「探偵!ナイトスクープ」のような人気レギュラー番組のスタッフは毎週、毎週、当たり前のように「数字の取れるおもしろいVTR」を求められるので、プレッシャーで疲弊していく。
そこで「演出」の出番である。
「家族みんなで家事・育児を分担しているなかの小学6年生の長男」など石を投げれば当たるほど、世の中にあふれている。







