世の中には50代の転職の失敗事例が多くあります。こんなはずじゃなかったという例です。それとなく誘われていた転職予定先の事情が変わって受け入れてもらえなくなったとか、何社も転職面談を受けてひとつも希望先が決まらないとかいう話です。

 現実に運不運を含めて転職にはそのようなリスクは確実に存在します。最終的には年収200万円の仕事しかないという状態になる人もいらっしゃいます。

 その意味で50代で早期退職を選べる人の第一条件は、たとえ年収200万円に下がったとしても経済的に自立できるかどうかです。

 両親から相続したアパートの家賃が安定して入ってくるとか、家業があって副収入が得られるとか、すでに金融資産が増えていて投資リターンで生活費が賄えるとかの前提があれば、転職リスクは気にしなくていいわけです。

 そのうえでよく言われる第二条件は、今いる会社を離れても活躍できる能力を持てているかどうかだと一般には言われます。実はこの記事ではこの後に話す第三条件の方が重要だという話をしますが、まずは定説について説明させてください。

 日本の大企業で活躍している人で、転職したら急に活躍できなくなる人は少なくありません。理由は、それまでの活躍が組織と社内人脈に支えられていたことに気づいていなかったことです。このような人のことをよく「就職」ではなく「就社」をしていたのだと表現されます。

 そうではなく、会社組織の中で専門性や独自のスキルで活躍をしていた人のほうが転職後も活躍しやすいといいます。工場の生産管理を長年行っていて、転職先の中堅企業でも工場の指導で活躍できるような人はその一例です。営業でも主に提案営業で活躍してきた人がまったく違う業界の営業を担当しても、顧客からのヒアリング力や企画力を生かして良い成績を収めるというのも成功例です。

 それはそれで大切な条件だと思います。その前提でそれよりも重要な第三条件の話をするために、ここで少し私の話をさせてください。私は60過ぎてふと思い立って就活をはじめたところです。