しかし現在は、会社は定年まで社員の面倒をみられなくなる一方、転職は当たり前の選択肢になりました。昔と比べ会社と社員の関係はフェアになったといえます。

 そんな変化が起きているのに昔ながらの詰めるマネジメントを行っていたら、優秀な社員から会社を去ってしまうでしょう。

 しかし、それで育ってきた人たちの中には、自分の経験を疑い無しに継承している人も見受けられます。組織そのものが旧態依然のまま、というケースもあります。

 こうした人や組織は今後、ますます厳しくなっていくのは間違いありません。

詰めてはいけない時代の
「部下の動かし方」

 見方を変えると、昔のマネージャーの仕事は今より簡単でした。「お前ら、ちゃんとやっておけよ」とハッパをかければ部下が動いて成果を出してくれたのです。それは現在より成果の出しやすい時代背景があって成立したやり方だったのかもしれません。

「詰めてはいけないとしたら、どう部下を動かしていけばいいんだ」という声も聞こえてきそうですが、それは数値による目標管理と、会社と個人のビジョン共有がカギになると思います。

 まず各個人に応じたKPIを適切に設定し、その数字を出すためのプロセスを指導し達成を支援する。ある意味、数字を握って詰めるわけですが、これらを明確にしておけばリモートワークでサボる部下も減っていくでしょう。

 同時に目標を達成すればどんなよいことが起こり、未達ならどんな不利益が発生するかを伝えていく。それがひいては会社が掲げるビジョンやミッション、バリューの実現と、部下の生活の安定と将来の発展にどう寄与するかをイメージさせていくことが重要です。

 個々の本気で社員を動かすには、会社の描くビジョンも大事ですが、それにプラスして個々の社員が頑張ると自分の処遇や待遇が上がり、将来のよりよい生活を実現できる可能性を感じられることが非常に大切です。