一方、賢い人間は、「競争」を避ける。

 投資家としてとてつもない成功を収めたティールと同様、ウォーレン・バフェットも確信している。「人生で成功するための秘訣は、競合が少ないこと」。

 ゲノム編集技術を開発し、ノーベル化学賞を受賞したジェニファー・ダウドナも次のように認めている。「わたしは常に、同じスキルをもつ人があまり多くいない、ニッチな分野を埋めるチャンスを探していました」。

 あなたも競争を回避しよう。ピーター・ティールはこのことについて辛辣な発言をしている。「競争は敗者のためのもの」。

競争を避けるのは
「逃げ」ではない

 あなたが、まだ成功していないのだとしたら、その原因は、必ずしもあなたのスキルややる気が「不足している」ということではない。あなたが、ライバルであふれかえる市場に身を置いている可能性のほうがはるかに高い。

 そこで必死に努力するよりも、より静かな、より小さな世界で泳ぎ回るほうがいい。

 あなたのエネルギーを、あなたがトップになれるニッチな分野を見つけることに投資しよう。どのようにするかは、ピーター・ドラッカーやロジャー・マーティンのような経営戦略に長けた思想家の著作を読んでみるといい。

 大きな市場を離れることを、悲しむ必要はない。皮肉なことに、競争が特に激しいところは、往々にして価値のない分野だ。

「大学での競争が非常に激しい理由は、得るものがわずかしかないからだ」と、元アメリカ合衆国国務長官でハーバード大学教授のヘンリー・キッシンジャーは述べている。

 アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスも、愉快なたとえで述べている。「2人のハゲが櫛をめぐって争っているようなものだ」と。