Photo:日産自動車
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7月1日、日産自動車は新興国向けのグローバル共通ブランド「ダットサン」の車体デザインを世界初公開した(イメージ写真を参照)。ダットサンブランドは、来年に順次、インド、インドネシア、ロシア、南アフリカ共和国の4ヵ国へ投入される予定で、成長著しい新興国の顧客層を開拓する。日産にとって、ダットサンは、「ニッサン」、高級車ブランド「インフィニティ」に続く第3のグローバルブランドとなる。
ダットサンは、日産の前身である、快進社が製造した「ダット1号車」がルーツ。DAT(ダット)は快進社の出資者3人のイニシャルにちなんでおり、DATの息子を意味する「DATSON」と名付けられた後に、SONは“損”を想起させるとして、発音が同じで太陽を意味する「DATSUN(ダットサン)」へ改称された。かつて、195ヵ国で累計1000万台を販売した往年のヒットブランドの復活に、社内の期待は高まっている。
実は、新興国向けに共通のブランドを投入するのは初めての事例だ。同じ新興国と言っても、それぞれの国によって、顧客層の国民性、彼らのニーズ、求められるスペックは異なる。実際に、ダットサンブランドでも、インド向けの中核価格は40万ルピー(約67万円)以下、インドネシア向けのそれは1億ルピア(約100万円)以下と大きな開きがある。
にもかかわらず、グローバル共通ブランドを投入する狙いはどこにあるのか。