日本海東縁ひずみ集中帯の海底では、南北方向の断層や褶曲などの地殻変動を表す地形が確認されており、中央部に北米プレートとユーラシアプレートの衝突境界が通っているのです。
プレートの境界で大地震と
巨大津波が多発してきた
断層は圧縮力によって岩盤が割れることで起きる「逆断層」で、能登半島地震の震源断層も同じ北西―南東方向に傾斜した逆断層型でした。
プレート境界では、1940年の積丹半島沖地震(M7.5)、64年の新潟地震(M7.5)、83年の日本海中部地震(M7.7)、93年の北海道南西沖地震(M7.8)、07年の新潟中越沖地震(M6.8)などの地震が多発し、津波が日本海沿岸に到達しています。
中でも、北海道南西沖地震で奥尻島を襲った津波は高さ29メートルまで遡上(そじょう)し、死者・行方不明者229人を出したのです。
能登半島地震では、能登半島北側の海底活断層が大きくずれることで、本震M7.6のエネルギーを開放したことが、東京大学の佐竹健治名誉教授によって明らかにされています。
一方で、北東側の佐渡島に近い海域にある「NT2」(全長36キロメートル)と「NT3」(同20キロメートル)とよばれる活断層はまだ動いていないのです。
この領域では、能登半島地震の本震の8日後にM6.1の地震を起こしており、今後ここでM7クラスの地震が起きると新潟県の沿岸を高さ3メートルの津波が襲う恐れがあります。
ちなみに、日本海東縁ひずみ集中帯で過去に発生した津波は、陸上までの到達時間が短い傾向があるため、厳重に警戒してほしいと思います。
今後は太平洋側と同様に、日本海で起きる地震津波を早急に評価し、防災対策を立てる必要があるのです。
インフラ整備の遅れが
陸の孤島化を招いてしまった
能登半島地震は、発災から10日経った1月11日の時点で2562人が孤立状態にあるという前代未聞の事態が発生しました。
こうした状態は災害関連死を増やすことにつながり、今後の震災対応に重大な課題を残しています。そこで地震の特徴から見て、こうした事態がなぜ生じたのか、それを防ぐため何が必要かを考えたいと思います。







