すなわち、発災後の重要な拠点となるので、巨大地震の発生前にこれまで遅れていたインフラ整備を早急に改善する必要があります。そして太平洋側で激甚災害が発生する前に人や物や情報をできるだけ日本海側に分散させておく必要があるのです。

 しかし、太平洋側にくらべると日本海側での防災意識は決して高くありません。2024年の能登半島地震はまさに不意を突かれた状況で、日本海側では太平洋側と性質が異なる災害状況になる事実を突きつけられました。

 今後は、能登半島の東側から北へ延びて新潟・秋田・北海道沖を通る海底域(日本海東縁ひずみ集中帯)で起きる地震・津波に警戒し、太平洋側と同様の発生予測と防災対策に注力する必要があるのです。

 激甚災害に対する備蓄の日数の見直しも必要です。南海トラフ巨大地震の被災者は6800万人にのぼり、日本の総人口の半数を超えると予想されています。

 静岡から宮崎までの広い範囲で最大震度7の激しい揺れに襲われることから、被災地域への救助と援助が届く日数がこれまでとは比較にならないほど長くなる恐れがあります。

 政府は「防災基本計画」で災害への備蓄として最低3日分、可能であれば1週間分を推奨してきました。しかし、3日分あれば公的な支援が届くという備蓄の前提が今回の地震で大きく崩れたといっても過言ではありません。

 今回はさまざまな局面で「想定外」の事態が発生しましたが、能登半島地震から多くの教訓を引き出し、次の防災対策へ繋げなければなりません。それが2030年以降に確実に起きる激甚災害を少しでも軽減する国家喫緊の政策になるでしょう。

首都直下型地震が起こる確率は
今後30年間で約70パーセント

 能登半島地震は災害関連死を含めて600人を超える犠牲者を出した直下型地震です。

 日本列島には直下型地震を起こす地震の巣がたくさんありますが、なかでも最も警戒されているのが「首都直下地震」です。

 われわれは「過去は未来を解くカギ」の知恵から、能登半島地震の教訓を将来必ず起きる「首都直下地震」で活かす必要があります。具体的に見ていきましょう。