「これからは日本の大学より海外の方がいいかもな……」

 こんな話、私にはとてもついていけません。

 夫は地元で作った家具のネット販売を始めようと、東京に出張に行くことが増えていました。東京で暮らしている妹の麻美のことも心配で時々会っていると言います。

子作りを拒んでいた夫の
パパ活が義妹経由で発覚

 夫は子どもの教育にお金がかかると言って、子作りを拒んできました。それにもかかわらず、見知らぬ女の家賃を払っているなんて……(編集部注/実家に帰省してきた義理の妹の麻美は、兄が東京で会っている相手は自分ではなく大学院生の女性であることを暴露し、兄が彼女の家賃を負担していることを尚美に伝えた)。この時ばかりは身体中から怒りが込み上げ、止めることができなかったのです。

「どういうこと!」

 私はいてもたってもいられず、自宅で仕事をしていた夫に詰め寄りました。

「麻美さんから聞きました。女の人がいるって。家賃を援助してあげてるんでしょ。そんなお金があるなら我が子につぎ込んでください!」

 私は泣き叫んでいました。

「ああ、その話。彼女は凄く優秀な女性なんだ。ただ、家がそんなに裕福じゃないから少しでも力になりたいと思ってる。変なことはしていないよ。いつか、娘にも会わせたい女性なんだ」

 夫は取り乱している私に目もくれず、作業している手を止めずに淡々と話を続けました。

「パパ活するような女を娘に会わせるですって!」

 夫はようやく書き物をしている手を止めて、私の方を見ました。

「誤解だよ。彼女とはそんな関係じゃない。彼女は家庭教師をしていて、地方から東京の大学を目指す学生を支援しているんだ。オンラインでも授業をしていて、彼女の教育事業に協力したいと思ってるんだ」

夫の収入に頼りきりで
貯金すらしていなかった

 私の脳裏に突然、香奈の姿が浮かびました。その女性を想像しようとすると、どうしても香奈と重なってしまうのです。

「尚美、犯罪者の俺が言うのもなんだけど、子どもから尊敬される親になろうよ。これからの時代、女性も自立できなくちゃ幸せになれないよ」

「どういうこと?まるで、私が不幸みたいじゃない……。幸せにするって言ってくれたでしょ?」