国税庁による課税・監視の強化やコロナ禍という逆風があってもなお、富裕層の海外移住ニーズは高い。では、彼らはどのように海外移住先を選んでいるのか。そこで特集『シン富裕層の投資・節税・相続』(全24回)の#6では、富裕層向け海外移住コンサルティングを手掛ける専門家が「3段階」での移住を勧める理由に迫る。そして、富裕層が実践している理想的な海外移住のマニュアルを公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)
目的と制約に応じて最適な国をチョイス
富裕層の「3段階」海外移住
悠々自適な海外生活に憧れる人は多いだろう。しかし、富裕層といえども海外移住では「夢と現実を切り分けて考える」のが大事なこととなる。そして、よくよく戦略を練る必要もあるという。
ここでは、富裕層2万人以上の海外移住をサポートしてきたアエルワールドの大森健史代表取締役の解説に基づき、富裕層の海外移住のノウハウをお届けしたい。
下図は、アエルワールドの顧客である富裕層が選んでいる主な移住先だ。欧米にアジア、中東など多岐にわたるが、この中から富裕層はどのように実際の移住先を選んでいるのだろうか。
また、大森氏は、富裕層に移住をアドバイスする際には「ホップ・ステップ・ジャンプの3段階」で戦略を練るように伝えているという。
3段階それぞれで移住のステージが異なっており、選ぶべき国も変わってくる。では、どの段階でどんな国が候補として挙がってくるのか。また、その判断基準は何で、どのような手順で意思決定をしていくのか。富裕層の「3段階」にわたる移住のノウハウについて、詳しく見ていこう。