健一さんは言いました。そして私は弘子さんに尋ねました。
「離婚、したい訳じゃないですよね?」
はい、と弘子さんは頷き、
「生理が終わると毎回、なんで離婚なんて考えたんだろうって思います。その気持ちもなくしたいです」
さらに私は弘子さんに伝えました。
『夫婦はなぜ壊れるのか カウンセリングの現場で見た絶望と変化』山脇由貴子 幻冬舎
「精神的にすごく疲れている事に自分で気づけるようになるといいですね。少し意識して、疲れてるなと思った日は寄り道して帰るとか、喫茶店でケーキを食べて帰るとか。クールダウンしてから帰るといいかと思います」
やってみます、と弘子さんは言ってくれました。そして弘子さんには、婦人科の受診をお勧めしました。早速行ってくれる事になったので、2カ月後に再度夫婦で来てもらいました。
「ピルを処方してもらいました。まだイライラはしますけど、少し良くなって来た感じがします。それと、イライラがひどい時用に軽い精神安定剤を頓服として処方してもらいました。まだ飲んでいませんけど、それを持っているだけでも安心出来ています」
健一さんも言いました。
「僕から見ていると結構違います。イライラの度合いが低いというか」
安心した表情でした。弘子さんも「少なくとも、真剣に離婚を考える事はなくなりました」と言って、笑みを浮かべました。さらに弘子さんは言いました。
「自分の疲れ、特に人に気を使って精神的に疲れることも自覚を持つようにしたら、本当に疲れてるんだって気づきました。だから夫に八つ当たりしないようにしなきゃって思って、帰りに好きなお菓子買って帰ったり、気分転換を心がけています」
それは素晴らしい。ちょっとした工夫が夫婦関係改善につながるのです。







