写真はイメージです Photo:PIXTA
少子高齢化や地方の過疎化を背景に、「墓じまい」は多くの方々にとっても避けて通れない課題となっています。しかし、墓じまいは円満に進むケースばかりではありません。時には、長年付き合いのあった寺院の住職と決定的に折り合いが悪くなり、精神的に追い詰められた末に「脱出」を図るケースも少なくないのです。本記事では都内のある専門学校に教員として勤務する佐藤誠さん(仮名・54歳)が直面した、代々の菩提寺との絶縁から公営墓所への改葬を決意するまでの苦悩について取材しました。(取材・構成/ライター 岩田いく実、監修/長岡行政書士事務所代表 長岡真也)
「お気持ちが足りない」
繰り返される住職の説教
事の始まりは、約3年前に中部地方のある県で暮らしてきた佐藤さんの父である豊さん(仮名・80歳)が肝臓がんで亡くなったことでした。
それまで佐藤家の法要などはすべて母の友里子(仮名・78歳)さんが仕切っていましたが、大切な夫を失い憔悴した様子が見られるように。そこで、都内に暮らす佐藤さんが長男として、四十九日の法要のタイミングから県内にある代々の菩提寺との窓口を担うことになりました。
「最初から違和感はありました」と佐藤さんは振り返ります。
父の四十九日法要の際、疲れが見える母にはあえて相談せずに、お布施として10万円をお渡ししたところ、「供養するお気持ちが足りない」と言われたのです。佐藤さんは事前にインターネットで相場を調べ、勤務先の同僚にも相談していました。
慌てた佐藤さんは、母にどのぐらいが適切なのかと相談したところ、佐藤さんがいないところでこっそりお布施を渡したようでした。これまでも母は促されるままに寄付もしていたようです。







