例えば、今まで墓守をしていた父が亡くなった、残された子としてはすでに都心部に出ていることもあり、遠方でとてもじゃないけどこの先々の維持ができないと考えるわけです。
そうしたタイミングに子ども同士で話し合いをすると「じゃあこの際…」という流れで進むケースもあります。また、墓守をしている親が終活の一環で生前に墓じまいをするケースもあります。こういったときは、比較的寺院と良好な関係を築かれている場合もあるので、納得のいく墓じまいになることが多いです。
相続や遺言書作成等の終活をしているタイミングだと、墓じまいをするきっかけがあるために検討しやすいですね。
墓じまいの大まかな流れは、以下のとおりです。
(1) 墓地管理者(寺院・霊園など)へ連絡し、改葬許可申請書の「埋葬(埋蔵・収蔵)証明欄」(※)に記名押印(証明印)をもらう
(2) 石材店へ墓石撤去・解体工事などの見積もりを依頼する
(3) 現在のお墓がある市区町村役場へ改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を受領する
(4) 現在のお墓から遺骨を取り出す(閉眼供養などを行う場合もあり)
(5) 改葬先(新しい墓地・納骨堂など)へ納骨する
以上の流れが一般的ですが、前段階としてやはり「親族の合意」が必要です。
特に親族間では、長男が勝手に決めたことに分家のご親族が反対するといったトラブルもあるため、この調整だけで数カ月等の相当な期間を要することも珍しくありません。
また、住職への切り出しも「葬儀や法要のタイミング」など、直接対面できる機会を狙うべきです。電話一本で済ませようとすると、話がこじれやすくなります。まずは寺院への相談という形で対応していくとよいでしょう。
まず家族みんなの意見を聞いて
コンセンサスを得ること
――円満な墓じまいを目指すためには、家族同士ではどのような話し合いをしていくとよいでしょうか。
とにもかくにも、まず家族みんなの意見を聞き、コンセンサスを得ることに尽きますね。法的には祭祀承継者(墓じまいの決定権を持つ人)が単独で墓じまいができるとしても、お墓に対する思いは家族それぞれです。
一方的に決定をしてしまい、実行すると必ず遺恨が残ります。まずはご自身の置かれている状況を整理し、直面している課題は何か、それを乗り越えていく方法を家族一緒に考えていければ、円満な墓じまいが実現できると考えます。
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全国的に課題となっている墓じまい。寺院とのトラブルを避けるためにも、まずは家族間の丁寧な話し合いが欠かせません。
※プライバシー保護のため、登場人物に関する情報の一部を変更しています。
【第2回】『「誰の遺骨なの…」自宅に5つの骨壺がズラリ“40代未婚女性の大誤算”【墓じまいトラブル】』は2月12日(木)に配信予定です







