両親の母語である家庭言語とは別の言語で、子どもに教育を受けさせることになる場合、その理由はさまざまでしょう。
たとえば、海外に赴任することになった日本人夫婦に就学期の子どもがいる場合、赴任先に日本人学校がないとなれば、否応なしに子どもの教育は現地の学校でするということになります。日本での就労を目的に来日する外国人の両親も、子どもの教育には、地元の公立小学校を選択する場合が多いでしょう。
その一方で、日本国内にいながら、インターナショナルスクールや英語圏の学校の日本校に子どもを通わせるという選択をする家庭もあります。また海外の赴任先に日本人学校があるけれども、現地の幼稚園や小学校に子どもを通わせるという選択は、近年、特に英語圏では多くなっているように思います。
このように、両親の母語、そして子どもの母語でもある言語とは異なる言語で、早ければ就学前から子どもに教育を受けさせるという選択の背景には、子どもにその言語に堪能になってほしいという、親の強い願いがあるようです。
とくに現代のグローバル社会の中で、国際的な共通語となっている英語をネイティブスピーカー並みに習得させることが必ず子どものためになると思う親は、かなりの数に上るのではないでしょうか。
ネイティブな発音を身につけるには
早期の学習開始が有効
英語の母語話者ではない人がネイティブスピーカーのように英語を使えるようになるには、いつから英語の学習を始めるのが良いのでしょうか。そのような場合には、10歳より前に英語の学習を始めたほうが良いと提案する研究結果が、2018年に米国で出されました(Hartshorne,Tenenbaum and Pinker,2018)。
これはあくまでも、英語の学習がずっと継続した場合の話なので、10歳より前に始めても、途中で中断してしまうと、ネイティブスピーカーに近づくことは難しくなります。
この研究では、英語の母語話者が文法を獲得する際の臨界期(編集部注/外界からの刺激に対する脳神経回路の反応が、最も強く見られる時期。言語や運動などの学習に最適と言われる)を探ろうとしています。







