「ビジネスメールなのに、おかしな件名をつけるのは悪ふざけがすぎるのではないか?」と心配になる人がいるかもしれませんが、その心配もいりません。

 私たちは「面白いこと」が大好きなのであって、ユーモアを嫌う人はいません。みなさんは、ユーモアたっぷりのテレビCMに対して目くじらを立てて怒ったりしますか。職場の上司がくだらないダジャレをみんなに披露したからといって、その上司を嫌いになったりしますか。たぶん、そういうことにはなりませんよね。むしろ、親しみや好意を感じるのではないかと思われます。

「大谷(翔平)、まさか引退?」という東スポの見出しに心惹かれて本文を読んだところ、結局は「引退しない」という結論だったからと言って、本気で怒るような人はいないでしょう。ビジネスシーンでも、あらゆるユーモアがNGなのかというと、決してそんなこともないのです。

 米パーデュ大学のウェイン・デッカーは、職場のユーモアについての研究を行い、こちらがユーモアを見せると、相手もそれに乗ってユーモアを返してくれるようになる、という報告を行っています(※2)。

 つまり、こちらが「件名」にちょっぴり遊び心を加えておくと、それを受け取った相手も同じようにメールの件名や本文などでユーモアを返してくれることが期待できるのです。

 そうやってお互いにどんどん親密になれるわけですから、ユーモアを含んだメールはやらないほうがいいというより、むしろどんどんやったほうがいい、とも考えられるのです。

 現代人は非常に大きなストレス環境下で仕事をしているわけで、そういう状況だからこそ思わず笑ってしまうようなメールが「一服の清涼剤」としての働きをし、相手に喜んでもらえることもあるということを覚えておくとよいでしょう。

【参考文献】
※1 Lang, A., Borse, J., Wise, K., & David, P.  2002  Captured by the world wide web.  Communication Research ,29, 215-245.
※2 Decker, W. H., & Rotondo, D. M.  1999  Use of humor at work: Predictors and implications.  Psychological Reports ,84, 961-968.