多くの相続トラブルを間近で見てきた和田秀樹氏が提案する“財産の扱い方”写真はイメージです Photo:PIXTA

子や孫のために、できるだけ多くの財産を残したい。そう考えるのは、ごく自然な親心だろう。しかし、実際には財産を残したことを後悔するケースも多くあるという。お金を残すことは、本当に家族の幸せにつながるのか。これまで、多くの相続トラブルを間近で見てきた和田秀樹氏が提案する“財産の扱い方”とは?※本稿は、精神科医の和田秀樹『医師しか知らない 死の直前の後悔』(小学館)の一部を抜粋・編集したものです。

親の残した多額の財産は
次世代に何をもたらす?

 子どもや孫がいる人の場合、自分たちが貯めてきたお金を次の世代に残したいと思うこともあるかもしれません。

 それもひとつの考え方だと思いますが、私は「子どものことを本当に思うなら、むしろ資産は残さないほうがいい」と考えています。

 というのも、親の残したお金が必ずしも子どもにとってプラスになるとは限らず、むしろトラブルの種になってしまうケースをこれまでたくさん見てきたからです。

 実際に一定以上の資産を持つ高齢者のなかには、「あんなに残さなければよかった」と後悔している人も少なくありません。

 たとえば、現役時代から老後のためにコツコツ貯金を続けてきた70代の女性がいました。

 ところが、すでに成人した子どもたちが「子ども(孫)の教育費がかかって大変だ」「一緒に旅行に行くお金が足りない」と、何かと理由をつけてはお金を無心してくるのだと、ため息まじりにこぼしていました。

 親が資産を持っていると、それに頼ろうとする子どもが出てくるのも無理はありません。親が大金を持っていると思えば、それを当てにしてしまう子どももいるでしょう。