資産がある方はとくに、お金と幸せの関係について一度立ち止まって考えてみてほしいと思います。

『医師しか知らない 死の直前の後悔』書影医師しか知らない 死の直前の後悔』(和田秀樹、小学館)

 30年以上にわたって高齢者のメンタルヘルスと向き合ってきた私は、「お金があるからといって、必ずしも幸せになれるわけではない」ということを強く実感しています。

 むしろ財産があることで本人の希望が通らなかったり、家族間で争いが起こりやすくなったりします。資産が増えるほど「失うこと」への恐れも大きくなり、人間関係や人生設計が複雑になってしまうのです。

 その結果、豊かな資産を持ちながらも信頼できる人間関係を築けず、孤独な晩年を過ごしている方も少なくありません。財産が人を本当の幸せから遠ざけてしまうこともあります。

 だからこそ、子や孫にどれだけの財産を残すかにとらわれるのではなく、自分はどのような人生を送りたいのか、そして子や孫にはどんな人生を歩んでほしいのかを、改めて考えてみることが大切だと思うのです。