さらに、この年齢層の拡大を後押ししているのが「TikTok Lite」の存在です。動画視聴やタスク完了でポイントが貯まる「ポイ活」要素のあるこのアプリは、主婦層を中心に爆発的に普及しました。テレビやYouTuberの紹介を通じて、これまでTikTokに触れてこなかった層が大量に流入しており、まさに「お財布の紐を握る層」がプラットフォーム上に集まっているのです。
つまり、「若者向けだからモノは売れない」という懸念は、現状のデータを見ると的外れだといえます。実際に、高額な家電や食品、日用品が飛ぶように売れているのが今のTikTokなのです。
Amazon・楽天とは違う
「発見買い」の衝撃
では、なぜ人はTikTokでモノを買うのでしょうか。Amazonや楽天市場などの既存のECプラットフォームとは何が違うのでしょうか。
その答えは、商品との出合い方の違いにあります。
従来のECサイトは「目的買い」の場です。「水が欲しい」「新しいスニーカーが欲しい」という明確な目的を持ってサイトを訪れ、検索窓にキーワードを打ち込みます。そこでは「価格の安さ」や「配送の早さ」といったスペックの比較が競争の軸になります。
一方、TikTok Shopは「発見買い(ディスカバリーコマース)」の場です。ユーザーは買い物をしようと思ってアプリを開くわけではありません。暇つぶしや娯楽として動画をスクロールしている最中に、AI(人工知能)によるレコメンド機能によって、「自分の好みにドンピシャの商品」が流れてくるのです。
「こんな商品があったのか!」
「これ、私の悩みを解決してくれるかも!」
そうした予期せぬ出合い(セレンディピティー)が、衝動的な購買意欲を喚起します。まるで友人に熱量高くおすすめされた時のように、スペックの比較検討を飛び越えて、「欲しい!」という感情が先行して購入に至る。これがディスカバリーコマースの本質です。







