◆メンタルの弱い人が無意識に陥る自滅行為とは?
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】不安になりやすい人が無意識にやっている“意外な共通点”Photo: Adobe Stock

「ダメで元々」という最強のメンタル術

今日は「絶望のすすめ」というテーマでお話しします。少し驚かれるかもしれませんが、「どうせ無理」と考えることは、実は最強のメンタル術になり得るのです。今回は、期待値をコントロールしてメンタルを守る方法と、不安への具体的な対処法について解説します。

簡単に言うと、これは「期待しないことによってメンタルを守る」という方法です。もう少し柔らかい表現をするなら、「ダメ元(ダメで元々)」の精神ですね。これを少し大げさに表現して「絶望主義」と呼んでいます。

期待しすぎると……

「どうせうまくいかない」という前提で、それでもやってみるのです。

「きっとうまくいく」「大反響になったらどうしよう」と勝手に期待を膨らませてしまうと、思い通りにいかなかった時に深い絶望を感じてしまいます。「今度こそ」と思ってもまた失敗し、ダメージを受けることになります。

最初から絶望していると……

「基本、何もいいことは起きない(成果はゼロ)」というつもりでいると、実際には少し良いくらいのことが起きます。そうすると、「ダメだと思っていたのにうまくいった!」という喜びが生まれます。

10回中1回でもうまくいけば、「ラッキー!」と思える。これが絶望のすすめであり、メンタルを安定させるコツなのです。

あえて「最悪の事態」をシミュレーションする

この絶望主義にはもう一つの意味があります。それは、「最悪の事態をわざと想定し、対策を決めておく」ということです。

不安になりやすい人は、「うまくいかなかったらどうしよう」「とんでもないことになったらどうしよう」という「予期不安」に苛まれがちです。何も起きていない平穏な時でさえ、悪い想像をして不安になってしまうのです。

最悪のケースを具体的に想像する

「なるようになるさ」と思えれば一番良いのですが、どうしても考えてしまう時は、逆転の発想を使います。

その時どう動くか(戦略)を決めておく

こうしてシミュレーションを行うと、「なんとかなりそう」という感覚が生まれ、不思議と心が落ち着くのです。

【具体例】LINEの返信が来ない時の対処法

私自身の些細な例をお話ししましょう。私はLINEが苦手で、既読がついたのに返信がないと「嫌われたかな?」とモヤモヤしたり、ずっとスマホを気にしてしまったりすることがあります。こういう時こそ、絶望主義(シミュレーション)の出番です。

想定:「既読がついたけれど、もう返事は来ないかもしれない」と考える。
戦略(どう動くか決める):どうしても必要な連絡なら、次は電話で聞こう。そこまで重要でないなら、「この人は返信したくないんだな」と割り切って、こちらからも連絡を控えよう。

このように「こうなったら、こうする」と決めてしまえば、ずっと連絡を待ち続ける必要がなくなり、心が落ち着きます。

不安の正体は「身の置き場がない」こと

不安や焦燥感というのは、言ってみれば「うろうろと歩き回っている状態」です。自分がどう動けばいいか決まっていないから、どっしりと座っていられず、身の置き場がない感覚に陥るのです。

そのため、最悪の事態を想定し、それに対する自分の動きを決めておけば、それが「身の置き場」となります。「最悪こうなっても、こうすればいい」というプランが頭にあるだけで、ほっとすることができるのです。

自分の切り札として持っておく

もちろん、最悪の事態をリアルに想像するのはエネルギーを使います。ですから、心に余裕がある時や体力がある時におすすめする方法です。考えるだけでしんどい時は、無理に行う必要はありません。仕事の成り行きや人間関係など、どうしても不安が拭えない時に、

「ダメで元々」と期待値を下げる
「最悪の場合はこう動く」とシミュレーションする

この「絶望主義」を一つの切り札として持っておくと、いざという時に自分を救ってくれるはずですよ。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。