作家の伊集院静 Photo:SANKEI
直木賞作家の伊集院静と
芥川賞作家の高樹のぶ子
「ほうふ」高校という。山口県の中南部で、瀬戸内海に面した防府市にある県立高校だ。2027年には創立150周年を迎える、全国でも指折りの伝統校だ。
「防府」とは、奈良、平安時代に周防国の国府が置かれていたことから、つけられた地名だ。平安時代中期に、清少納言が防府で幼少期を過ごしたといわれる。父親が周防守という役職に就いていたためだ。「枕草子」に舟旅の記憶と思われる記述がある。
いささか牽強(けんきょう)付会ではあるが、そうした故事から「防府には、昔から文芸の血が脈々と流れているのではないか」と、解説する卒業生もいる。芥川賞、直木賞の受賞者や個性的な俳人を、輩出しているからだ。
芥川賞を受賞しているのは、高樹のぶ子だ。「光抱く友よ」で、1984年に受賞した。その後、野間文芸賞、芥川賞などの選考委員を務めていた。女流文学賞、谷崎潤一郎賞、川端康成文学賞など数々の文学賞も受賞、2018年には文化功労者に選定されている。「霧の子午線」など映画化された作品もある。防府高校を経て東京女子大短期大学部卒だ。
直木賞の受賞者は、1992年に「受け月」で受賞した伊集院(いじゅういん)静だ。防府高校から立教大に進学、CMディレクターになり、作詞家としても活躍した。「ギンギラギンにさりげなく」などのヒット曲がある。小説「機関車先生」や、エッセー「大人の流儀」シリーズなどでも人気を集めた。
女優・夏目雅子(東京・私立東京女学館高校卒)との再婚と死別、さらに女優・篠ひろ子(仙台市・私立聖ウルスラ学院高校・現聖ウルスラ学院英智高校卒)との再々婚、ギャンブルざんまいの生活……と何かと話題を振りまいてきた。防府市を舞台とした自伝性の強い「海峡」三部作もある。2023年11月に73歳で死去した。







