日本生命がヘルスケア企業を爆買い!医療データ事業会社のMDVに「異例のプレミアム」を付けた理由Photo:医薬経済社
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 国内最大規模の「医療ビッグデータ」を日本生命保険が握る。同社は25年12月15日、医療データの収集・分析を手がけるメディカル・データ・ビジョン(MDV)を買収すると発表した。総額568億円をかけ、株式公開買い付け(TOB)で全株式を買い取る。MDVは医療機関から収集した5370万人分の患者の医療データを保有、分析したデータを製薬企業や研究機関に提供するサービスを事業の柱としている。

 TOBの背景には生保業界の環境変化とMDVの業績不振がある。

非保険領域を拡大

 生保業界では近年、健康支援や介護事業など生保以外の分野に参入する動きが活発化している。23年に住友生命保険が、医療データ解析や重症化予防支援を展開するPREVENT(プリベント)を完全子会社化すると発表。24年には第一生命ホールディングスが、福利厚生代行会社のベネフィット・ワンをTOBで買収した。ベネフィット・ワンをめぐっては、先行してTOBを仕掛けていた医療情報サイト運営会社エムスリーとの争奪戦を制しての買収劇で、ヘルスケア関連企業の奪い合いの激しさを浮き彫りにした。

 30兆円を超えるとされる生保市場は、人口減で新規加入者が縮小する一方、当面は高齢化で亡くなる顧客が増え保険金の支払いが増加する見込み。ただ、高齢化により新たなサービスへの需要も高まっており、万が一の死亡保障から、長生きに伴う医療や介護、あるいは予防も含めた健康増進型のシニア向け商品が次々と登場している。住友生命は18年に、運動や健康診断の取り組みをポイント化し、保険料の割引や特典を提供する「Vitality」(バイタリティ)を発売。位置情報ゲーム「ポケモンGO」と連携したキャンペーンを展開するユニークな保険となっている。

 また、最近では認知症保険も各社が発売。ライフネット生命が、アルツハイマー病治療薬「レケンビ」を販売するエーザイと認知症保険を開発するなど、製薬企業との連携も見られるようになった。