
家族大事 butトーストも大事
みんなが疑われる不穏な状況に、クマ(夏目透羽)は「こぎゃんつもりで取られたって言ったんじゃ」と困惑。
こぎゃんつもり→焦げんつもり。焼き網の焦げにかけている、わけではたぶん、ない。
正木は「あくまで可能性として」と前置きしたうえで続ける。
「おばさまはおクマちゃんに家事をやらせてもらえず退屈されている。落ち込んでもいらっしゃる」
そう指摘されてフミは「ううん」と首をふるが、
「でもおクマちゃんをやめさせるわけにもいかない。その鬱憤(うっぷん)がたまり、つい出来心から焼き網に手を出してしまった。おクマちゃんが困る姿も見ることができるわけですしね」
正木はなんだかずいぶん意地悪な見方をしている気がする。
つぎはトキ。
「おクマちゃんに家事を取られて退屈されている。先日あんたがたどこさまで奪われてしまった。ご自身、そしておば様への敵(かたき)討ちとばかり、焼き網を盗んだとしても――」
「あんたがたどこさ」まで奪われてしまったことまで知っている正木。
今度はヘブン。
「そもそもトーストを召し上がりたいのは先生なんだ」と丈がかばう。
「だが、実は松野の皆さんが朝のトーストを気に入っていないことに先生は気づいている。家族思いの先生は一家がトーストでバラバラになることを恐れ、焼き網を盗み、もめ事が起きないようにした。そんな風にも考えられます」
ヘブンは一瞬納得しそうになりつつ、「家族大事 butトーストも大事。私盗むない」と主張。
そして、クマと仲が良かったため丈まで疑われる。
「おクマちゃんが毎朝苦労したり怒られたりしなくて済むと丈にしては浅はかだが、おクマちゃんのために盗んだ可能性はある」
丈にしては浅はかって、浅はかすぎるだろう。
最後の最後にクマ説まで。トーストを焦がさず焼く大変さに耐えかねて、盗まれたと嘘(うそ)をついて捨ててしまうことも「なくはない話だよ」と自信満々の正木だが、「なか話たい」「ないよね」と不評だ。
ついには、焼き網に自由に触れることができるのはクマだけという「事実を利用して彼女を落とし入れるために誰かが盗んだ」説も出てきた。
正木はフェアな人で、自分の可能性にも言及。「探偵ぶって皆さんに目を向けている裏で、実は犯人でしたなんてこともあり得るでしょう」
手前に鴨居(かもい)を大きく映し、それ越しに部屋のなかを斜めに撮って不安感をあおるアングル。ミステリーのパロディっぽい、楽しいショートコントであった。







