ゆえに多くの場合、「次の打ち合わせの機会を得ること」を最低限の目標として設定しておくことで、最悪の事態を回避しやすくなる。
(4)聴衆の属性
プレゼンテーションでは、聞き手が「どんな人なのか」によって、こちらの対応は変わってくる。特に意識しておくべきなのが、聞き手が「その分野の専門家なのかどうか」という点だ。
仮にマーケティングの話をプレゼンテーションでする場合、聞き手がまったくの門外漢であれば、前提知識の共有や用語の説明などを話の中に織り交ぜるべきだろう。
逆に、聞き手が「店長クラス」の人ばかりであれば、当然、相手は知識も経験も豊富だろうから、マーケティングに関する前提知識の共有や基礎的な話は不要になる。
またこうした人たちは、自分たちが専門にしている領域や商品のことについて、「自分が誰よりも深く理解している」という強い自負を持っているケースが多い。ゆえにコンサルタントの話や提案に対して「所詮、机上で学んだものだろ」と、あまり真剣に耳を傾けてくれなかったりする。
そんな相手に対して、コンサルタントが「あなたの会社のここが悪い」とか「ここの戦略が下手」といった態度で話をすれば、いくらその内容が正しくても、聞く耳を持ってもらえないことは明白だ。
目の前にいる相手の立場を
最優先で見極めて対策を練る
(4)「聴衆の属性」に関して、もうひとつ押さえておきたいのは、「相手が意思決定者なのかどうか」ということだ。
目の前にいる相手は、会社のトップなのか、部署のトップなのか、それともトップの代役なのか。プレゼンテーションの内容について、決裁ができる立場なのか。それとも上に伺いを立てなければ、決裁ができない立場の人間なのか。
それによって、話し手の働きかけ方は大きく変わってくる。
決裁者が別にいる場合、たとえその場にいる聞き手をどんなに魅了したところで、それだけで目標を達成することはできない。ここからさらに、聞いた人から決裁者に提案内容をきちんと伝えてもらわなければならないのだ。
『客観より主観 “仕事に差がつく”シンプルな思考法』(内田和成、三笠書房)
そうしたケースでは、プレゼンテーションの際に、「聞き手が喜んで上司に伝えてくれそうな話」を加えるといった意識も必要になる。また、上が懸念を持ちそうな点を、事前に潰しておくことも重要だ。
逆に、その場で決裁が行われるのでなければ、「現段階では話さなくてもいい情報」も出てくるだろう。先に述べたように、「最悪でも次の打ち合わせの機会を得ること」を目標として、戦略を立てていくべきだ。
このようにプレゼンテーションというのは、ただ単に「自分の伝えたいことを話す」だけの自己満足の発表会ではないということを、肝に銘じておいてほしい。







