「ロジカルな説得力」を強固にしておくことは、確かに重要だろう。ただ、それだけで聞き手の心を動かせるほど、プレゼンテーションは甘くない。

 だからこそ、プレゼンテーションでの“勝算”を少しでも高めたいのなら、「徹底的に理論武装すべき」という発想から、「相手の主観に意識を向ける」方向に、思考を切り替えていく必要があるのだ。

 ただ、プレゼンテーションで難しいのは、どうしても「話し手側が準備してきたことを、聞き手側に向けて発表する」といった、一方通行的なコミュニケーションになりがちなところだ。

 もちろん、「質疑応答の時間」はあるだろうが、ミーティングや1対1の交渉のように、会話の中で互いの主観をすり合わせていくことは難しい。

 だからこそ、プレゼンテーションにおいては、次に述べるような「周到な準備」が必要不可欠になる。

プレゼン前に押さえるべき
4つの重要な要素とは?

 準備が重要といっても、プレゼンテーションに関する情報をやみくもに集めるのでは効率が悪い。“押さえるべきポイント”をしっかりと見極めることが重要だ。

 ここでは、私がBCG時代に実際に使用していた「プレゼンシート」の内容をもとに説明しよう。

【プレゼンシートの記入例】

タイトル:ABC マートの店舗改善

日時:2025年 9月26日 15:00~

場所:本社役員会議室

形式:プロジェクタ使用

持ち時間:30分
出席者:マーケティング会議メンバー

伝えたいメッセージ:現在のままでは、最大セグメントの女性顧客を取り損なうので、よりファッション性の高い商品構成にすべき

達成したいゴール:改善計画にゴーサインをもらうこと。次善の策としては、概ね了承で、少しの練り直し。最低でも、継続審査にしてもらう

聴衆(対象者)の属性:社長、マーケティング本部長、管理本部長、店舗運営部長。加えて、マーケティング部門のメンバー

聴衆の知識レベル:管理本部長以外は、自社のマーケティング・店舗運営を熟知している(との自負がある)

留意事項:現在のやり方を全面否定すると、その先の提案を聞いてもらえない可能性があるので、注意する。マーケティング本部長にはすでにこの方向で、内諾を得ているが、他の幹部の発言次第で豹変する可能性あり。本議題の前に、店舗における問題発生対応議題あり(シリアス)