輸入車に長く乗っている人だと、同じようなことを思う人も少なからずいるはず。90年代まで日産のディーラーでは軽自動車は販売されていませんでしたから。当時、日産のもっとも小さな車種はリッターカーのマーチでした。
当時の日産といえば、スカイラインGT-Rやシルビア、フェアレディZといったスポーツモデル、ローレルやセドリック/グロリア、シーマといったセダンが人気だった時代。セレナやラルゴ、プレーリーシリーズなどのミニバンも支持されていました。K11型マーチも多くの人に選ばれていました。
90年代の日産車で、もっともコンパクトなモデルだったマーチ(広報写真)
販売現場では「軽自動車がなくて困る!」という声が
一方で日産ディーラーに取材に行くと、話が終わった後にスタッフさんから「うちには軽自動車がないから、お客さんを他社に奪われちゃうことがあるんですよ……」という話を聞くことも多くありました。
今も昔も、「うちは長年この店で面倒を見てもらっているから」と、同じディーラーでクルマを買い続けるユーザーがいます。たとえばセドリックに乗っている人が「娘が免許を取ったから」と、セレナに乗っている人が「近所の買い物用に」と、軽自動車を買いに来るケースが少なくなかったのです。
しかし当時の日産には売るクルマがない。セカンドカーを考えている人は維持費を理由に軽自動車以外の選択肢を持っていない人もいます。こうなるとお客さんは他のディーラーに行くしかありません。つまり日産の、特に販売現場では、軽自動車がラインナップに加わることが悲願だったのです。
2002年、日産初の軽自動車「モコ」誕生
そして2002年4月、日産は同社初の軽自動車である「モコ」を発売しました。モコはモノフォルムデザインが特徴的なスズキの軽トールワゴン「MRワゴン」のOEMモデルでした。当時クラストップレベルの室内長を誇り、後席にスライド機構を備えて居住性と積載性を両立していました。
エクステリアデザインは当時の日産が採用していたウインググリルで日産らしさを演出し、モコ専用色も設定するなど、単にバッジを付け替えただけではない気合を感じました。
日産初の軽自動車「モコ」。写真は専用色であるモコグリーン(広報写真)







