2WDと4WDで、足回りの構成がまったく違う

 さて、ここからが先週のデリカミニ4WDとの“別物感”の話である。

 ここで安易に「日産と三菱の味付けが違いました」と言ってしまうと話はオシマイである。何しろ条件が違いすぎる。デリカミニ4WDはタイヤサイズが大径化され、最低地上高も上げられている。ショックアブソーバーにはデリカミニ専用の減衰が与えられ、さらに4WD側は専用チューニングで狙いを明確にしている。

 加えてこの系列は2WDと4WDで後ろ足の構成が違う。2WDのリアサスはトーションビーム式であるのに対し、4WDはトルクアーム式の3リンクだ。4WDは単に後ろに駆動が付いただけの同一車ではない。リアの支持方法が別物になり、そこで動く質量も、リンクで決まるジオメトリも、ブッシュの使い方も、すべてが別モノなのである。

 2WD同士なら基本は同じ。しかしデリカミニの4WDは、タイヤ、最低地上高、ショックの減衰、構成、そして“狙い”が積み上がって、乗り味さえも違う特別仕立てである。単純に「乗り心地はどちらが良いか?」と聞かれれば、「街中であれば間違いなくFFの2WD」ということになる。

 足元の構成が分かれば、X氏の驚きも説明が付こう。

 氏が驚いたのは、軽だからでも、日産だからでもない。都市の舗装路の低中速域で、揺れの混ざりを抑え、収束を早め、止まり際の余韻を整えるという、乗り心地の基本が、2WDのルークスで高いレベルに達していたからである。そして先週のデリカミニ4WDは、別のフィールドでの正しさ、つまり「オフを視野に入れた走破性」のために、足の前提を変えているのだ。だから印象が違う。違って当然であり、その違いを“味付け”の差に誤って決め付けないことが肝要である。

エンジン部分:吸気系を太く、素直に通したエンジンルーム。加速しても音が荒れにくい。遮音材をブチ込むだけが能じゃありません Photo by F.Y.エンジン部分。吸気系を太く、素直に通したエンジンルーム。加速しても音が荒れにくい。遮音材をブチ込むだけが能じゃありません Photo by F.Y.
後席を畳んでも段差が少なく、視界も抜ける室内。軽なのに狭くない Photo by F.Y.後席を畳んでも段差が少なく、視界も抜ける室内。軽なのに狭くない Photo by F.Y.

 

 それでは最後にこのクルマの○と×を。