だから、旧統一教会信者は、洗脳だ反日だと叩かれても、安倍元首相や高市首相を応援してきた。今、高市首相が進めようとしている「スパイ防止法」も半世紀前に国際勝共連合が先陣をきって言い出した。信者が応援するのは当たり前だ。

 断っておくが、どっちが正しくて、どっちが間違っているという話をしたいわけではない。

 旧統一教会という宗教団体の問題と、この半世紀続くイデオロギー戦をごちゃ混ぜにすると、ありもしない「闇」や憎悪が煽られる。安倍元首相のように巻き添いで犠牲になる人がでるので、もうやめにしないかと言いたいのだ。

 これまで本連載で繰り返し述べてきたが、安倍元首相が旧統一教会に利益誘導したような証拠はゼロだ。憲法改正や選択的夫婦別姓反対は、日本会議や神道政治連盟など保守的政治団体はすべて主張している。規模も政治的影響力も小さくて、首相に約10年で10万しかパー券を買えない政治団体が国策を主導するなど、あり得ない。

 旧統一教会独自で訴えているのは「日韓トンネル」だが、これが国会審議を通ったとか、補助金が出たなんて話はどこにも存在しない。そもそも、安倍元首相は「崇教真光」の信者だと自ら公言していた。高市首相のおひざ元には、公称信者数120万人という、日本有数の巨大宗教「天理教」があって、天理市は市長も信者だ。

 アクティブに活動する信者数が多くて数万人の旧統一教会に一体何をどうすれば操られるのか。彼らが自民党内で重宝されたのは、選挙の弱い候補者でも反共という同志ならば一生懸命に頑張ってくれるからだ。この程度の選挙支援を「闇」と呼ぶのなら、創価学会も神社本庁もそうだし、労働組合も日本医師会もあらゆる団体が「闇」になってしまうではないか。

 今回、多くの国民がそうしたように、選挙とは自分が思い描く「理想の社会」を実現してくれそうな政治家を応援するものだ。それが旧統一教会信者の場合は「反共産主義を掲げる政治家」だったというだけの話なのだ。

 しかし、そういう話を報じても「数字」は取れない。そこでいまだに「高市首相と旧統一教会の闇」などと陰謀論を煽っているわけだが、それでまた山上被告のような人間が首相や自民党に対して「テロ」を起こしたとき、どうやって責任を取るのか。

 今回の選挙で「惨敗」したのは正気に戻るいいチャンスだ。いくらマスコミ不況だからとはいえ、自分たちの商売のためにありもしない「闇」を煽って稼ぐのはもうやめたほうがいい。