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南海トラフ地震に備えて、ハザードマップの確認や防災リュックの準備を進める人が多い。しかし、いざ都市機能が止まり、住む場所や食料の確保が長期的に難しくなれば、それらの対策は意味をなさない。養老孟司と内田樹も実践する、大災害が起きても生き延びるための意外な備えとは?※本稿は、東京大学名誉教授の養老孟司、神戸女学院大学名誉教授の内田 樹『日本人が立ち返る場所』KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
災害のリスクヘッジにもなる
都会と田舎の二拠点生活
内田樹(以下、内田):日本人は、ずっと都市で暮らしてきた人でも、心のどこかに山河や里山に対する幻想的なあこがれがあるんじゃないかと思います。僕自身がそうですから。東京生まれで、今は神戸で、ずっと都市生活者でした。でも、自然に対するあこがれは消えない。日本は自然がとっても優しいじゃないですか。幻想かもしれないけれど、里山の風景が文部省唱歌で刷り込まれて、そこが僕にとっては幻想的な故郷なんです。「故郷」とか「朧月夜」とかで刷り込まれた里山幻想がある。
だから「内田さん、あなた、田舎に住んだことなんかないじゃないか。どうして地方移住の旗なんか振るんだよ」って言われても、やっぱり里山が好きなんです。できることならば二拠点生活で、田舎にも家が欲しい。そう考えるシティボーイやシティガールはけっこういると思います。
養老孟司(以下、養老):僕は南海トラフ地震が起きるのを2038年と仮に言っているのは、この先希望をもって何か大きなことをやろうとしたり考えたりしても、その(地震が起きた)時には全部吹っ飛びますよということを若い人には教えておいてあげたほうがいいと思ったからなんです。







