会社選びで福利厚生や給与より重視すべき点は、職場の人間関係です。

 職種や業種に関係なく、職場の雰囲気がピリピリ、ギスギスしているようなところは入社してから苦労します。

 たとえ自分の適性にぴったりの会社だったとしても、職場の雰囲気が悪ければ、早晩会社を辞めることになるでしょう。それは、私たちの感じる幸せというものは、人間関係によって決まるものだからです。給料や福利厚生だけで決まるわけではありません。

 まずは職場の人間関係がいかに大切かということについて、統計データを見てみましょう。

 厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」(厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/dl/gaikyou.pdf)によると、男性と女性の離職理由の2位に挙げられたのが「職場の人間関係が好ましくなかった」です(男性1位は「給料等収入が少なった」で、女性1位は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」)。

 働き手にとって、職場の人間関係は給料や労働条件と同様に重要だということがわかります。

 次に、人間関係の重要性に関する学術的な研究を調べてみました。

 Chiaburu & Harrison(2008)は、161の研究・約7万8000人分のメタ分析で、同僚からの支援(協力・助け合い)がある職場ほど、職務満足が高い傾向が強いと報告しています。条件だけでは測れない人間関係が、働きやすさを左右しやすいことが示されます(※1)。

 というわけで、企業を探すときには、良好な人間関係を築きやすい会社なのかという視点が非常に重要となります。ただし、企業のホームページを見るときは注意が必要です。

 就活生や転職希望者が履歴書や面接で自分をいかに良く見せるかということを考えるように、どの企業も自社をよく見せようとします。つまり、ホームページは自社をアピールするものなので、実態を忠実に紹介しているとは限らないのです。ホームページに「家族のような雰囲気の会社です」と紹介されていても、実際は従業員に我慢を強いる同調圧力が強いだけだったということもありえます。