人間関係が良い職場を
どうやって見つけるか

 では、どうすればいいのかというと、自分が就職を希望している会社に、人間関係を円満にするような、きちんとした「制度」や「システム」が実際に整っているのかどうかを調べてみるのです。

 たとえば、トヨタには、仕事だけでなく生活面でも後輩の面倒を見る「職場先輩制度」があります。アサヒビールにも「ブラザーシスター制度」というものがあります。

 自分と年齢の近い先輩が、「兄貴」や「姉貴」としていろいろと面倒を見てくれるのですから、これは頼もしいですね。

 三井物産は社員寮を充実させて、年次の垣根を越えた社員同士の親睦を深めているようです。

 さらに京セラでは、「大家族主義」をとっていて、全社スポーツ大会と名付けられた運動会を開催しています。イベントを通じて社員同士のコミュニケーションコストが下がれば、仕事も楽しくなりそうですし、悩みなども相談しやすくなるでしょう。

 こういう制度やシステムが充実しているところほど、「職場の人間関係にも力を入れているな」ということがわかりますので、安心して就職できるでしょう。

 他にも、自分が希望する会社に勤めている社員のSNSを調べてみるとか、説明会に参加して社員同士のコミュニケーションの取り方を確認してみるとか、OB・OG訪問をしてストレートに聞いてみるのもいいでしょう。

 本当に人間関係が良好な職場なのかどうかは、入社するまではわからないかもしれません。加えて、会社として制度やシステムが整っているからといって、自分が良い人間関係が築ける保証はありません。しかし、環境や会社の方針までは事前に調べることができるはずです。

 また、職場における男女の人数比も調べておくと、自分に合わない会社に入ってしまうリスクを下げることができそうです。

 男性ばかりの職場で、女性が一人という会社や、逆に女性ばかりで男性が一人だけ、という職場はできれば避けたほうが無難です。少数派の人は、どうしても仲間外れに遭いやすいという研究があるからです。

 ミシガン大学のジョアナ・ヤングらは、米国の大手航空会社の客室乗務員を調べ、男性が約13%と少数派になる職場では、女性多数派に比べて職務満足や組織への愛着(コミットメント)が低く、離職意向も高まりやすいと報告しています。背景には、自尊感情の低下や役割のあいまいさ、仕事とのミスマッチ(適合感の低さ)が関係していました(※3)。