「じゃあサッサとつくれよ!」という声が聞こえてきそうだが、これはそう簡単な話ではない。
先ほど述べたような「テロ対策」もあるが、まず大きいのは「コスト」だ。ゴミ箱はただ置けばいいわけではなく、頻繁にゴミを回収してゴミ処分場などに運ばないといけない、分別がなされてない場合はそれをやらなくてはいけないし、掃除をしたりしなくてはいけない。
このコストをどこから捻出するのかに加えて、それを負担するのは観光地の地権者なのか、自治体なのか、はたまた国なのかなど調整しなくてはいけないことが山積なのだ。
そこに加えて、観光地で生活をする地域住民からの強烈な反対もある。
観光地にゴミ箱が設置されたら利用するのは外国人観光客だけではない。家庭ゴミを持ち込む「マナーの悪い日本人」もいる。かつてに比べてだいぶ減少したが不法投棄は今でも年間1.4万トン(2024年度)ある。観光地にゴミ箱がたくさん設置されたら、不法投棄業者が深夜に産廃を捨てていくかもしれない。皆さんも自宅の近くに、そんな誰でも利用できるゴミ箱ができたら嫌ではないか。
こういうややこしい問題が、実はそのまま「喫煙所」にも当てはまる。
まず頭が痛いのがコストの高さだ。屋外喫煙所の場合でも、灰皿を置いてパーテーションを立てて終了というものだと、漂ってくる煙で気分が悪くなったとか、受動喫煙をしたという市民からのクレームがあるので、煙が外に出ないような「密閉型喫煙所」が求められ、安いものでも300万円前後はする。例えば、これを100カ所設置するだけで3億円もかかってしまう。
さらに、つくったらおしまいではなく、吸い殻の回収やら掃除、換気設備などのメンテナンスなどランニングコストがかかる。これを自治体が捻出するとなると当然、非喫煙者から「なんでそんなもんにオレらの税金が使われんだよ」という不満にもつながる。
もちろん、この問題を解決しようという動きもある。例えば、JTは多くの自治体と包括連携協定を締結、喫煙所の設置などを積極的に進めている。タバコ会社の協力のもとで、分煙環境の整備に取り組もうという自治体も増えているのだ。
タバコ税収よりも重大な
「コスト」とは?
しかし、駅前などに喫煙所をしっかりと整備してくれたほうが、路上喫煙やタバコのポイ捨てが減るのではないかという意見に対して、医療従事者として反対をする人々もいる。







