成果主義は、足元の目標達成を遂げるための組織の結束力をもたらすには適しているものの、反面、組織内で短期的な収益達成に逆らう言動は排除される。様々な考えを持つ社員の意見は封じられる。
世界で戦うためには
収益性を上げるしかなかった
1980年代、サムスン電子は多様な人材を国内外から採用してきた。これに伴い社員の能力評価基準を頻繁に変えてきた。
1993年当時、李健煕会長の新経営宣言後の人事評価は、市場開拓力、製品開発力などによる売上を第一とした基準であった。国際競争の荒波を乗り越えるには、他社とのシェア争いに打ち勝つことが、最優先とされた。
IMF危機が収束した1999年以降、人事および組織の評価基準は、売上よりも成果(利益)基準へと変わっていった。サムスン電子は、グローバル企業として生き残るための基準を売上高から収益性に重心を移していった。
2001年から年俸制が本格的に導入された。サムスングループはPS(profit sharing/利益配分)とストックオプション(2005年廃止)に代表されるインセンティブ制度を導入した。ここから収益性を第一とする成果主義が定着していく。
基本給の100%が支給される
年2回の目標達成奨励金
現在、成果給制度は3つの仕組みからなる。
第一は、超過利益成果給(OPI)であり、これは事業部の業績が年初の目標を上回った場合、超過利益の20%を限度に最大で年俸の50%を毎年1回支給するものである。これは黒字でなければ支給されない。
2025年1月に決定されたDS部門(半導体)の超過利益成果給(OPI)は、メモリー、システムLSI、ファウンドリー(編集部注/半導体の製造を専門に請け負うビジネスモデル)の各事業部ともに14%と低かった。役員に対するOPIは、自社株で支給するとされた。常務は成果給の50%以上、副社長は70%以上、社長は80%以上、登記役員は100%、自社株を選択しなければならない。







