しかし京成は、昨年10月31日に京急電鉄と鉄道運行、旅客誘致、株主優待などの共同検討に関する合意書を締結しており、そのひとつに「京急電鉄は、新たな輸送サービスの検討に着手し、これにあたり京成電鉄が2028年度より運行を計画している新型有料特急車両との共通化の検討を進めます」とある。

「共通化」の程度にもよるが、同一設計の車両を導入するという意味するならば、最高速度時速160キロの車両は京急に必要ない。また、指定席を前提とした特急専用車両は、現在の京急の運行形態にはなじまない。

 そうなると、成田空港から羽田空港まで、京成・都営地下鉄浅草線・京急を直通する列車を新設し、京成と京急がお互いに車両を持ち合う構想があるのかもしれない。京成の本気度は筆者の想像をはるかに上回っており、何が起きてもおかしくない。

私鉄最長クラスの
複々線区間が誕生か

 しかし、今回の発表における最大の驚きは、輸送力増強のため「成田空港周辺(成田湯川駅~成田空港駅)の単線区間の複線化に合わせ、スカイライナーおよび新型有料特急専用の成田スカイアクセス新線整備(複々線化)計画について、検討に着手する」との発表だった。

 プレスリリースによると、複々線化区間は新鎌ヶ谷駅~印旛日本医大駅間約20キロ。増設する線路はスカイライナー、新型有料特急が最高速度時速160キロで走行可能な専用線、既設線はアクセス特急、北総線普通列車の専用線となる。整備後の日暮里・押上~空港第2ビル間は、スカイライナーが36分から30分台前半、新型有料特急が30分台前半から20分台後半に短縮される。

整備イメージ整備イメージ(プレスリリースより) 拡大画像表示

 私鉄の複々線区間は、東武が最長で計25.5キロ、次が京阪の12.6キロだ。東武はスカイツリーラインが計20.2キロ、東上線が5.3キロなので、新鎌ヶ谷~印旛日本医大間の整備が実現すれば、一挙に私鉄最長クラスの複々線区間が誕生する。これまでの複々線化は列車密度の大きい都心区間で行われたが、郊外側の一部区間において、しかも、高速列車専用の複々線は、国内ではJRを含めて前例のないことである。