複々線化実現のために
乗り越えるべき課題
複々線化はどのような形で、どう進むのか。京成電鉄は「事業スキームが決まっておらず、スケジュールや具体的なルートなどの検討・決定もこれからとなります。また関係各所と今後調整が必要になる内容も含んでいることから、回答を控えさせていただきます」として詳細は明かさなかったため、本稿では現状把握と課題の整理にとどめたい。
新鎌ヶ谷駅付近(地理院地図全国最新写真)
まずは複々線区間について、発表では「新鎌ヶ谷駅」とあるが同駅付近の線路増設はひと手間だ。画像の左下(押上方面)から右上(成田空港方面)に延びる線が成田スカイアクセス線(以下、京成線)、2本並んだ白い屋根が新鎌ヶ谷駅である。成田空港方面に進むと線路北側に商業施設アクロスモールがあるため、線路は南側に増設せざるを得ないが、その先は民家が並ぶため用地買収は避けられない。
新鎌ヶ谷駅を出発し、トンネルをくぐると国道464号バイパスに挟まれた千葉ニュータウン区間に入る。この区間は新鎌ヶ谷付近とは異なり、京成線に沿って旧千葉県営鉄道北千葉線、旧成田新幹線の導入空間が確保されており、どちらも失効した計画なので転用が可能だ。
千葉ニュータウン中央駅付近(地理院地図全国最新写真)
前出のプレスリリースの複々線イメージ図は、新線が既設線を挟み込む「方向別複々線」の形で記されているが、そのためには線路と駅の移設が必要になる。方向別複々線は急行線と緩行線の乗り換え利便性が目的であり、複々線区間に停車駅が無いスカイライナー・新型有料特急専用線には必要ないため、複線が2つ並ぶ「線路別複々線」で整備される可能性が高いだろう。
最大の問題は整備期間だ。アクセス改善計画は成田湯川~成田空港間の複線化と、新鎌ヶ谷~印旛日本医大間の複々線化を組み合わせたものだが、上述のように後者は簡単に実現するものではない。
京成電鉄も「大規模な投資が必要であり、その回収には長期間を要することから、その実現に向けて、国、千葉県、成田国際空港株式会社などの関係者とともに、整備手法や費用分担等について、協議・調整を進めてまいります」としているように、具体的な検討はこれからだ。







