告白された際、可もなく不可もない場合などに伝える「まずはお友達から」というフレーズがありますが、当時はそのような「恋人ではないものの親密な関係」が珍しくありませんでした。

 それを象徴する言葉として、1990年代初頭には「アッシーくん」や「メッシーくん」といった概念も生まれています。恋人としての交際関係にはないものの、送り迎えをしてくれる人、食事をご馳走してくれる人といった、女性にとって便利な存在です。当時は、ちゃんとした恋人がいなくても、恋愛的な関係を模した関係性をなんとか保とうとする傾向があったのです。

「クリぼっち」を怖れ
性に積極的だったZ世代の親

 しかし現在では、「恋人的な存在がいなければならない」といった類いの圧力はほとんどなくなっています。「クリスマスまでに恋人を作らないといけない」といった価値観はもはや過去のものであり、「クリぼっち(クリスマスにひとりぼっち)」という言葉もかつてほどの重みを持っていません。

 そもそも若者たちは無理に恋人をつくる必要性など感じていないし、ましてや「デートをするためだけの相手を探す」といった行為はほとんど意味がない、というより、もはや若者にとっては「意味がわからない」わけです。

 余談ですが、国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査では、未婚男女の性交経験率も聴取されています。性交経験の「ない」人の率の推移を見ると、男女ともに90年代から00年代にかけて減少し、その後は増加に転じています。直近2021年は概ね90年代前半と同程度です。

図表・未婚男女の性交未経験率 出店:出生動向基本調査同書より転載 拡大画像表示

 つまり、Z世代の親が若いころは男女ともに性交経験が「ない」人は減り、それだけ多くの人が性交渉を持つようになった、戦後日本の中でもことさら性に開放的な時代だったといえるかもしれません。